製品導入事例/バックナンバー
第54回は、徳島県板野郡藍住町の「株式会社大万不動産」さんです。
藍住町はその名の通り、古くから藍作が盛んな地。
町内に残る藍商の屋敷は、当時の名残と歴史ある文化を今に伝えています。
大万不動産様は2004年に賃貸版を導入し、その後売買版も導入。2008年には、@dreamオブ・ザ・イヤー2008にて特別賞を受賞しました。
「@dreamというソフトは、人間で言えば徹底したプロ集団のようなもの。やれば必ず結果がでる」と語る前田孝教専務。しかし、やらないとその反動は大きいといいます。@dreamと向かい合う日々、やらないことへの反動とは?
大万不動産 専務 前田様。明るく、清潔な店内で
公式サイト | http://www.daiman-net.co.jp/ |
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所在地 |
JR高徳線 板野駅より車で10分(お客様は車でお迎えできます)
徳島自動車道 藍住インターすぐ 地図はこちら |
取材日 | 2010年9月16日 |
自然の中に出かけることですね。子どもと一緒に、よく山に出かけます。
よく行くのは、三好市山城町の賢見神社。神社からの眺めは最高だし、散策コースもあります。もちろん、お参りも忘れません。お参りをすませると、心がすっと気持ちよくなります。
山だけでなく、滝を見るのも好きなんです。那賀郡那賀町の大釜の滝、大轟の滝、名西郡神山町の雨乞いの滝などに出かけます。マイナスイオンを浴びてリフレッシュしますし、夏は緑、秋は紅葉と四季折々の風景を楽しみます。本当に美しいですね。
藍住町はどんな町ですか?歴史を教えてください。
古くから、藍作で栄えた町です。
近くには、藍で財をなした藍屋敷もあり、藍作の歴史が分かる数多くの資料も展示されています。
また、室町時代には阿波国の守護細川氏によって守護所が置かれ、戦国時代には、阿波国の実権を握った三好氏の本拠地でにぎわった場所でした。
徳島市内からも近いですね。
四国一の大河、吉野川にかかっている名田橋を渡れば徳島市。朝夕の通勤ラッシュの時間帯をのぞけば、車で20分ぐらいの距離です。徳島市に通勤している方も多く、いわば徳島市のベッドタウンですね。
交通の利便性もいいですね。
徳島自動車道の藍住インターチェンジもすぐ近くですし、徳島市内と町内を結ぶ徳島北環状線も開通しています。
住環境はどうでしょう?
藍住町は吉野川に面し、町の北側に旧吉野川、真ん中に正法寺川が流れる水の町です。
近くには、親子で遊べる親水公園も整備され、町民の憩いの場所となっています。
幹線道路沿いには、スーパーや大型電気店、量販店も多く、これからますます発展していく町だと思います。
藍の館。ここでは、藍染の体験もできる
お店のすぐ近くは、徳島自動車道 藍住インターチェンジ。 四国各県へとつながっている
吉野川と名田橋。 ここは、かつて渡し場があった場所だ
とても明るいお店ですね。オレンジ色で統一されているんですか?
ありがとうございます。
とにかく、従来の暗くて入りにくいという不動産屋のイメージを払拭するようなお店にしたかったので、平成13年10月の移転オープンを機に、イメージカラーをオレンジに変えました。
そして、とてもきれいです。物件チラシも輝いてみえますね。
お客様には常に気持ちよくご来店していただきたいと思っています。
店の雰囲気も暗く、書類が山積みされ、埃が溜まっている。窓には物件チラシが一面に貼られていて、中も見えない。机には、お茶の輪染みが残っている。
そんな店にはしたくありませんでした。そのためには、まず美しい店づくり。
朝一番の仕事は、店内と外の掃除です。従業員全員で、外も中もピカピカになるように、掃除することを心がけています。そうすると、自分の気持ちも明るく元気になって、仕事もはかどります!
店内の椅子は、オレンジ色で統一
お客様はどのような方が多いですか?
やはり、徳島市内のベッドタウンということで、20代から30代の若いご夫婦が多いですね。
賃貸の場合、家賃とご主人と奥さん2台駐車場込みで探される方が多いです。新婚さんもいらっしゃいますし、単身赴任の方も多いですね。
賃貸、売買、やはりどちらも徳島市内よりはお安いのですか?
そうですね。賃貸の場合だと1万円から2万円ぐらい違いますね。
私は、この藍住町は若いご夫婦が夢を叶える町だと思っています。『徳島市内よりはお安い家賃で少しずつお金を貯めて、一戸建てを建てる』それが叶えられるのが、この町だと思います。
たくさんのお客様がその夢を叶えられるよう、できる限りお手伝いしたいと思います。藍住町にたくさんの若いご夫婦が定住してくださったら、こんな嬉しいことはないですね。
お客様と向かい合うとき、大切になさっていることは何ですか?
お部屋さがしを通じて、笑顔になっていただくことですね。
この思いは常に心の中にあります。成約して、鍵をお渡ししてそれで終わりではないんです。まさに鍵をお渡ししてからがはじまりだと思っています。
暮らしていくうちにも、さまざまな疑問や心配事がでてくると思いますので、どんなことでも、いつでもご相談くださいと、お客様にはお話しています。
先日も、『鍵が壊れてしまった!』というお客様がいらして、対応させていただいたところです。
かご盛りのキャンディーが、 時にお客様との会話をなごませる
@dream導入前の集客状況は、どのように行っていましたか?
8割から9割が不動産情報誌、残りが自分で作っていたホームページです。
毎月1社の不動産情報誌に1ページの情報を出していました。最初は、2001の秋に実家からこちらの店に移転してきたばかりでしたので、ニューオープンという扱いで取り上げてくれましたし、少しずつ効果がでていたように思います。
でも、その情報誌からも、目新しさもなくなってきたのか次第に反応がなくなってきました。
そこで、不動産情報誌を2社に増やし、今まで1ページだったのを、2ページにしてみました。反響は少しありましたが、自分が思い描いていたようなものではありませんでした。
@dreamのきっかけは、どういうことからですか?
導入したのは、2004年です。同業者の方から、「こんなセミナーあるけど、行ってみませんか?」と声をかけていただいたのが、きっかけです。
その時、セミナーの内容や利用した方のお話を聞いたのですが、広島のアルファーランドさんのアクセス数が、当時自分が考えられないほど多かったんです。当時、自分はまずアクセス数をあげなくてはという思いが強くありましたので、その秘訣を聞きたかったし、今まで自分が中心に行っていた、紙媒体ではない不動産戦略について知りたかったので、セミナーに参加しました。
セミナーに参加されて、ますます導入への思いが強くなられたのですね。
そうですね。いろいろと事例を聞けたこと、また@dreamのソフトの魅力をセミナーによって詳しく知ることができたのが大きかったですね。今まで、パソコンに詳しい友人のアドバイスを受けながら、コツコツとホームページを作っていたのですが、とにかく、時間がかかるんです。
物件情報ひとつを入れるにしても、罫線を引き、表を作り文字を入れ、写真を貼り付けて、ひとつひとつの物件ごとに入れていき、それは大変でした。その間を縫って、物件の写真撮影に出かけたり、お客様のご案内に出かけたりしていました。
@dreamは、ボタンひとつで作業ができて、それらの悩みを解消してくれることを知り、導入したいという気持ちになりました。また、顧客管理、SEO対策などもすばらしく、『このソフトは、最新鋭の武器だ。これはいける!』と思いました。
それでは、導入は順調に進んだのですね。
いえ、すぐに導入を考えたものの、導入費用がなかなか出てきませんでした。
そこで、費用捻出のために今まで利用していた不動産情報誌2社への掲載を1社取りやめることにしました。
退路を断ち、大きな賭けに出られたのですね。
情報誌への掲載も1社やめてしまい、高い費用を出してのソフトの導入。
インターネットと不動産という未知のものに対して、「大丈夫なのか」というまわりの反対もありました。
でも、セミナーに参加し、「うまく活用すればこのソフトは絶対に大丈夫だ!」という確信のようなものがありましたので、導入を決めました。
ソフト導入とともに、新しく始められたことはありますか?
リングアンドリンクのITサポータさんのすすめで、ブログをはじめました。不動産屋という職業なのにと思われるかもしれないですが、私は初対面の方と話すのは緊張する方なんです。
ある日のこと、初めてのお客様とお話していて、こちらは少し緊張しながらお話していたのですが、とても親しみ深くお話してくださるお客様がいたんです。まるで、以前からの知り合いのような感じでした。「なぜだろう」と不思議に思っていたら、私の書いたブログを見ていただいていたお客様でした。
当時書いていたのは、自分の体の調子のこと、子どものことなどでした。そんな私に、お客様は、「体、大丈夫ですか?」「お子さんお元気ですか」と声をかけてくださったんです。そのとき、初めてブログというものはお客さまとの距離を縮めてくれるものだと実感しました。
営業面やアクセス数などの変化はありましたか?
実は、@dreamのセミナーに行ったとき、今まで、最低の営業成績だったんです。
導入してからすぐは、目新しい変化はなかったものの、アクセス数や会員登録も序々に伸び始めました。
そして、導入から1年後の2005年3月には、対前年比180パーセントの営業成績となりました。
すごい効果ですね!その効果を実感されたわけですね。
もちろん、ソフトを導入したからといって、何もしなければ結果が出るわけではありません。すばらしいソフトでも、それを生かすのは自分の努力しだいです。
@dreamを導入し、少しずつ効果は出始めたものの、もっとアクセスを増やす方法はないだろうかといろいろ考えていたとき、Google検索で自分の店を「徳島、不動産」と検索してみたんです。すると、なんと26番目に出てきました。導入して4ヶ月ぐらいたった頃のことです。
Yahoo!検索では1ページ目に表示されているのに、かたやGoogleでは26番目・・・。
「これはいかん!だめだ!」と思った私は、@dreamのITサポータさんに相談し、徹底的にアクセスアップのための改良を図りました。さきほどお話したのは、その結果なんですよ。
ITサポータさんは、どんなお話をしてくださったのですか?
ホームページ作成の専門的なことになりますが、スタイルシートの使い方、SEO対策のために不要なタグを整理することに始まり、みっちりと指導していただきました。
連絡も密にとっていたのですか?
はい。当社のホームページをダウンロードして、添削してもらったこともありましたし、「当社のホームページを見ておかしいところはありませんか?」と積極的に聞き、指摘された点を直したりしていました。
ITサポータさんの存在は大きかったですか?
現在は「少しでもお客様の興味のきっかけになれば」と、物件情報以
外のコンテンツもたくさん作っています。
もちろんそれが正解とは限りませんし、最終形でもありません。
これからも試行錯誤ですね。
ITサポータさんからのダメだし帳。 前田専務の血と汗がにじむ宝物だ
そのように、ITサポータさんと二人三脚で作ってこられたホームページですが、工夫している点はありますか?
工夫している点は、いろいろあります。物件をお探しになるお客様は、物件を探すと同時にその場所で暮らすための生活情報を求めていらっしゃいます。
物件情報を掲載する際は、どこの小学校の校区なのか、また近所のスーパーや校区までは何分なのかということを掲載するようにしています。
また、物件の詳細画面では、室内の写真はもちろんのこと、360度のパノラマ写真を入れています。お客様がお部屋に住んだときに、どのように見えるかということを考えて取り入れたものです。
ホームページには、御社の対応エリアのマップが掲載されていますね。
はい。これは、当社が対応している地域を分かりやすく、マップで説明したものです。
こちらは、ITサポータさんのアドバイスで導入したものです。
マップの中の町の名をクリックすると、それぞれの物件情報へ飛べるようになっています。
そのほかに、これはという工夫はありますか?
はい。隠れた人気コーナーがあります。
入居・退去時の豆知識というもので、聞けそうで聞けない部屋を借りる時の豆知識を詳しく紹介しているコーナーです。
お部屋探しをするうえでの準備確認事項や、下見する際のポイント、ご契約にあたっての注意事項、敷金の返還など一連の流れにそって、12項目にわたって詳しく紹介しています。
熟読すると、かなり安心してお部屋探しができるのではと思います。実際、かなりのお客様がご覧になってから来社されているようです。
対応エリアが詳しく書かれたマップが好評
名物コーナーの入居・退去時の豆知識
ホームページ以外で、工夫している点はどういうところでしょうか?
そうですね。最初にお話したように、お客様がいついらっしゃっても、気持ちよくリラックスしていただけるように、明るくて清潔な美しい店づくりを大切にしていますね。
物件チラシも、そのままではなくパウチして展示しています。
そのほうが見た目もきれいですし、隙間なくではなく、外から店内の様子が分かるようにゆったりとした配置にしています。
そのほか、業務のなかでの工夫はありますか?
業務の中でも、メールを重要視しています。リングアンドリンクさんのメール追客エキスパートクラスを受講し、お客様へのメールに生かしています。
メールを重要視されたのは、どういうことからだったのですか?
リングアンドリンクの金丸社長が常日頃から話しているように、メールでの追客は、とても大切だと思います。
お客様とやりとりするなかで、カウンター越しに接客する際と同じように、メールでも希望条件を丁寧に聞き出し、よりお客様のご希望に近づけるようにしています。
でも、その大切さを分かっていながら、日々の業務に追われていつしかお客様へのメールがおろそかになってきていることに気がついたんです。また、自分はもともとメールというものがそれほど得意ではなかったのもあると思います。いつしか、一括メールや個別メールを送っても返答がなくなり、今までのやり方ではだめだと気づきました。
メール追客エキスパートクラスを受講されて気づかれたことはなんですか?
いかに自分がメールを受け取るお客様のことを思って書いていなかったかに気づきました。
メールは、必要事項を連絡するもので、相手の顔を思い浮かべながら書くということはなかったし、あくまで業務連絡で心のないメールを送ってしまっていたということです。
その後、上級編も受けられたのですね。いかがでしたか。
お客様にメールを送った後、とにかく、すがすがしいんです。
目の前にお客様がいるように書くということを学んだことによって、「こんな気持ちになるのだなぁ」と思いました。あわせて、メールをご返信いただくと、会員様だけのお得な物件情報が見えるIDパスワードをお送りしますということをお知らせすることによって、80パーセントから85パーセントのお客様からご返信いただくようになりました。
@dreamの魅力は何でしょうか?
物件管理も、今までにかかっていた時間が短縮され、さまざまなことがボタンひとつでできるようになりました。
新着表示、商談中表示、成約済み表示、家賃値下げ一覧など、様々な事が簡単に表示できるので、その点だけを取ってもすごく業務時間短縮になっています。
また、この部屋はどのお客様にマッチしているか、マッチングリスト、スケジュールマスタの活用で顧客管理がすごく楽になりました。
@dreamのユーザーさんへのアドバイスをお願いします。
実は、最近身内の不幸などが重なり、@dreamに向かいあう時間が減ってきてしまいまして、アクセスや問い合わせが減ってきているんです。
それは、大変ですね。
自分が身をもって体験したのでいえることですが、「やらなくてはいけない!」
ということです。毎日動くということです。ソフトを入れたことは、始まりに過ぎません。サイトは毎日更新し、お客様からのメールも必ず目を通す、自分自身も日々勉強することが大切です。
振り返ると、部屋が埋まってしまったのに、空き室表示をそのままにしていたり、お客様から会員登録を消してほしいとご連絡いただいたにもかかわらず、そのままにして、お客様から「どうして登録を消さないの」とお叱りを受けたことも多々ありました。自分でお客様の信頼を失うようなことをやってしまったのです。
そのことが本当に悲しかったし、反省しました。
今は、ITサポータさんとの二人三脚の日々を思い出し、初心に帰ってがんばっています。
これからの経営について、お考えになっていることはありますか?
実は今、すべての業務を@dream中心に行おうと、業務の改善中です。
今までは、@dream関しては私が中心になって業務を行ってきましたが、今後は、私も含めて従業員すべてが@dreamのエキスパートになる必要があります。セミナーなどにも、どんどん参加してもらうつもりです。逆に言えば、このことに賛同してくれる仲間と一緒にがんばっていきたいと思っています。
これからの夢はありますか?
この地域に、今よりもさらに根付いて、当社が地域のコミュニティの場として、「人と人、親と子の橋渡しをできるようになりたいなぁ」という思いがあります。
これに通じることですが、私の究極の夢は、家を建てることです。
不動産屋さんが家づくりに参加されるということですか?
はい。地域の方が住み、集い、みんなが笑顔でいられるようなそんな家。最初は、地域のコミュニティづくりから始めますが、地域交流の減少、親子関係の悪化、少子高齢化問題など、さまざまな問題に直面している今だからこそ、この想いを大切にしたいと思っています。
みんなでわいわいと食事をしたり、いろんな意味で『コミュニケーションがとれる家』。 どこかご近所との関係が希薄でなかった昔を思いだしませんか?いつかこんな家を建てるのが夢ですね。そして、いつか自分もそのコミュニティの輪の中にいられたらいいなと思っています。
前田義範社長はお留守でしたが、 スタッフの皆さんと前田孝教専務。
会社名 | 株式会社 大万不動産 |
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住所 | 〒771-1220 板野郡藍住町東中富字東傍示112-1 |
TEL | 088-692-1215 |
FAX | 088-692-9425 |
お問合せ先 | info@daiman-net.co.jp |
公式サイト | http://www.daiman-net.co.jp/ |
インタビューを終えて
取材のお約束は、朝一番から。お店に到着した時、前田専務は、玄関のガラス扉を一生懸命磨いていらっしゃるところでした。「実は、人見知りなところもあるんですよ」自らのことをこうおっしゃる前田専務。長時間の取材にもいやな顔をせず、ご自身と@dreamとの道のりを思い出すように、ひとつひとつの質問にじっくりと丁寧にお答えいただきました。まっすぐで、実直。やさしいお人柄が滲み出てくるような時間。私も「この方なら、お部屋探しをお願いできるなぁ」と自然に感じるようになっていました。
前田専務の歩んできた道は、@dreamとともにあったといっても過言ではありません。@dreamと向かいあう時間が減り、お客様の反応が減ってきている現在。ITサポータさんと二人三脚で、必死で取り組んできたあの時間。両方を知っている前田専務は、@dreamが何よりもこれからの不動産業界にかかせないと知っている方。今後の巻き返しに期待がかかります。そして、いつの日かご自身の夢がかなった家の真ん中で、たくさんの方に囲まれて笑っている前田専務にお会いしたいです。
(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )