製品導入事例/バックナンバー
第79回は、愛知県豊明市の「グレイス不動産株式会社」様です。
豊明市は名古屋中心部と豊田の間に位置し、人口は約7万人。
代表的なスポットは桶狭間の戦いの古戦場や中京競馬場で、トヨタや関連企業に勤める方々が住むベッドタウンとしても知られています。また、高台に建つ藤田保健衛生病院は、ハイレベルの医療技術と医学界で活躍する人材輩出の場であり、地元の方に厚い信頼を得ています。
グレイス不動産株式会社
営業主任 鬼頭 克郎 様
公式サイト | http://www.grace-k.co.jp/ |
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所在地 |
名鉄名古屋本線前後駅より徒歩15分、名鉄バス三崎町バス停前下車 地図はこちら |
取材日 | 2012年10月4日 |
お店を創業されて、30年ほどになるそうですね。
はい、ずっと豊明でビジネスをしています。
もともとは同じ場所で、母がデザイナー、父が販売する「グレイス」という婦人服のブティックをやっていて、昭和59年に不動産業に転身しました。
私は不動産仲介会社の営業マンをしていたのですが5年前に退職し、グレイスに入社しました。
今は、父が社長として収益物件を、母が賃貸物件を、僕が土地戸建てやマンションの売買をおもに担当しています。地域に密着した不動産会社ですから、地元のお客様からの信頼を得ることが大切だと感じます。
地域とのかかわりを大事にされているんですね。
大事ですね。お客様が家探しの際にまずどうするかというと、ネームバリューからとりあえず大手の不動産会社で家を探そうとされます。その中で地元の個人店が生き残ろうと思えば、大手と同じくらいお客様に浸透し、信頼され、いかに口コミされるかが重要ですからね。ふとした会話の中で、「いい不動産屋さんならグレイスがあるよ」と名前が挙がるかどうか。
コツやテクニックではなく誠実で嘘のない仕事を積み重ね、それが地域の方々の信頼感につながると思っています。
お店の最寄り駅「前後駅」。
ベッドタウンとして人気のエリア
お客様の層やニーズについてお聞かせください。
お客様はトヨタ関連企業にお勤めの方が6割を占めています。豊明はマンション部屋数が約2,400部屋と少ないこともあり、多くの方が土地戸建てを購入されますね。
実家の近くに家を持ちたいという子育てファミリーのUターンもあれば、ご主人が三河地区にお勤めで、奥様は名古屋で仕事されているといった場合、中間地点になる豊明で家を建てようというパターンもあります。豊明は電車通勤も車通勤にも便利なので、本当に住みやすいと思いますね。
お客様とのやりとりで気を付けていることはありますか?
物件の良し悪しを自分の価値観で決めつけないことですね。人によって求めるもの、考え方は違いますから、物件に対する意見や感想を断定的には言わないようにしています。一番困るのは「鬼頭さんならどっちにしますか?」と聞かれたときです。背中を押してほしいお客様もいらっしゃいますが、それでも私はメリット、デメリットの事実を伝え、最終的にはお客様に選んでいただくようにしています。
藤田保健衛生大学および病院。
約5,000人のスタッフが勤務し、
グレイス不動産のお客様も多数
グレイス不動産ならではの強みはどこにあると思いますか?
父も私も豊明で暮らしていますし街のことなら何でもわかること。特に、豊明の不動産マーケットや相場観なら、私が一番詳しいと自負しています。ホームページでもいまお客様が知りたいであろう街の情報、たとえば東南海地震が起きた場合の豊明の震度や液状化の予測図、豊明のハザードマップなど防災コンテンツを入れたり、ブログで地価の動向を書くなどしています。
洪水時の避難地図と住所や電話番号が書かれたハザードマップをホームページからリンク。
@dreamはどこでお知りになったのでしょうか?
以前働いていた不動産仲介会社を辞めて実家の店舗(グレイス不動産)を継ごうというときのことです。元上司が「自動的に追客メールを送ってフォローできるソフトがある」と教えてくれたのがきっかけです。
それまでのフォローといえば、不動産仲介会社では一本一本電話を入れていましたし、実家ではフォロー自体に手が回っていない状態でした。
チラシも切り貼りというアナログぶりで、「これでは将来危ない」と感じていたこともあり、すぐ説明会に参加して導入を決めました。
導入について、社長であるお父様の反応はいかがでしたか?
「そんなもん入れんでいい!」と一喝でした(苦笑)。5年前の当時、まだ豊明には不動産をネットで売買する会社がなく、広告もチラシや住宅系の情報誌が主流でしたから。 でもその頃、広域用チラシに年間150万の広告費を出していて、私はこの先延々と150万を払い続けるよりも@dreamを導入するほうが絶対にいいと思ったわけです。 社長には「もし効果がなければ、@dreamの費用は自腹で払う」と話し、説得しました。
…自腹にならずに済みました?
ええ、大丈夫でした(笑)。今では社長も「○○さんから問い合わせメールが来ていたよ」などと言ってくれるので、インターネットに対しても理解してくれているようです。やはりお客様に追客メールが送れるのはいいですね。100件送って1件反応があればいいほうですが、送り続けることに意味があります。2、3年問い合わせがなかったお客様からのご連絡が突然あったりもしますし、いつどこでお客様の心を動かせるのかはわかりませんからね。
@dream導入と同時にホームページも
情報満載にリニューアル
更新はどなたが担当されていますか?
主に、事務や店頭で接客をしている女性スタッフたちです。特に誰が担当というのもなくて、誰もが操作できるよう講習会にも出席してもらいました。更新頻度は1日1~2回ですね。私はみんなに指示するだけでラクをさせてもらっていますので、スタッフには感謝しています。
導入後の変化はありますか?
不動産をインターネットで探す時代になった影響もあるかもしれませんが、ホームページのPVは以前よりも約3~4倍に増えました。当店が@dreamを使うようになってから豊明の別の不動産会社も導入したところが2社あって、「同業者も気にして見ているんだな」と感じましたよ。あとはなんといっても、お客様へのご案内が変化しました。昔はコツコツと電話をかけて営業していましたが、いまは一切しません。お客様が@dreamで物件詳細を見て、先に現地をご覧になる時代ですからね。
問い合わせる前に、家を見ておきたいという。
ええ、そうです。お客様は一通りホームページ上で情報を見て、気に入ったらまずは現地に行ってみる。本当に良かったら、そこで初めて不動産会社に問い合わせするという流れですね。なので、案内する段階ではある程度お客様の意思が固まっているので、必要以上に説明する必要もありません。営業の効率が上がり、すごくありがたいですね。
スタッフさん全員が
@dreamの講習会に出席し、
操作をマスター
ホームページ作りで心がけていることありますか?
営業担当が私だけの当店にとって、ホームページは営業マン代わり。ですから、できるだけ見やすいデザインやお客様の声を活かしたコンテンツ、3クリック以内で詳細物件が見られるスピード感などを大切にしています。
内容は私が考えていて、豊明市発行のハザードマップなどの防災情報もお客様が知りたい情報だろうと思い、リンクを張っています。
ブログ、facebookやTwitterといったSNSともリンクもされていますね。
はい、女性スタッフが持ち回りで書くブログと社長のブログ、私のブログとfacebook、Twitterもリンクしています。
内容は他愛もない日記もあれば街のイベント、地価の動向や税金にまつわることなどさまざまです。
そこまで積極的にSNSを活用する理由は何でしょうか?
“不動産”の敷居を低くするための努力の一つです。
人によっては不動産というとまだまだ、「騙されそう、怖そうという」イメージを持っていますから、できるだけ私たちスタッフの顔を載せて地域のことを書くことで、「地域に根差しているちゃんとした人間です」というのを伝えられるだけでもいいと思うんです。
それに今の時代、お客様が反応するのは、ホームページなのか、チラシなのか、ブログなのかTwitterなのかわかりません。問い合わせの間口をインターネット上にも増やし、近隣遠方問わず問い合わせ動機のきっかけを作っておくことが得策だと思います。
左が父親であり、社長の鬼頭康夫様。
自身も専用ブログを開設
@dreamを上手に活用するためのアドバイスをお願いします。
機能を活かすも殺すも自分次第! 導入するだけで儲かる魔法のソフトだと思うとダメですね。あくまで広告と集客、追客のツールであって、@dreamを最大限に活かすには努力が必要だと思います。たとえば、お客様の心を掴もうと思えば情報の質を上げることが大切ですが、@dreamで一件ごとに写真を撮って詳細を調べて更新するとなると、手間暇がかかるものです。ですから当店では扱うエリアを限定し、数より質を追求するようにしています。数を追うと一件あたりの情報が雑になってしまいますからね。
なるほど。正確で濃い内容は@dreamの醍醐味ですね。
良い情報はもちろん、逆の情報、たとえば、「近くに鉄塔があります。気になる方は一度現地を見てください」と載せてもいいと思うんです。でないと、お客様も周辺環境の詳しい情報を調べている時代ですから、うわべの内容ではこちらの力量を見透かされます。どれだけの情報をお客様に伝えられるか、日々の積み重ねが大きな差を生むのは間違いないですね。
これからの不動産業に必要だと思うことは何だと思われますか?
将来、日本の人口が減るにあたり、不動産は成長産業ではないと考えます。その中で生き残るには、はじめにも言いましたがお客様からの信頼を得ることが不可欠です。また、インターネットが発達すればするほど、人間性が重視されるでしょうね。なぜならホームページもブログもfacebookにも、人の性格が出てしまうものだから。そのことを忘れず、これからも誠実な仕事をモットーに、「グレイスのファン」を増やしていきたいです。
店内にはお客様から届いた、
たくさんの年賀状やお礼葉書が
会社名 | グレイス不動産株式会社 |
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住所 | 〒470-1126 愛知県豊明市三崎町高鴨5-5 |
TEL | 0562-93-6910 |
FAX | 0562-92-6902 |
お問合せ先 | info@grace-k.co.jp |
公式サイト | https://www.grace-k.co.jp/ |
インタビューを終えて
全体を通じて、鬼頭さんから出てきたのが「誠実でありたい」という言葉。「仲介業はモノを売るのが目的ではなく、お客様に合った理想の物件を見つけるのが目的。ウソも必要なく、やりがいがある」と、お客様に正直でいられることに喜びを感じていらっしゃるようでした。さらにネットの利点を上手に取り込みつつも、人間味のあるベタなやりとりも大切にする鬼頭さん。次期社長として、お店のファンが増えることは間違いなさそうです。
(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )