製品導入事例/バックナンバー
第111回は、千葉県船橋市にて、新築・中古住宅販売に力を入れ、地域密着型の不動産事業を展開される「有限会社 オオタニ」様をご紹介します。
お客様へ真摯な姿勢や、キメ細かい対応が高く評価され、昨年は「@dream of the year 2015」において「最優秀賞」を受賞。 同社ホームページの不動産情報は、かゆいところに手が届き、マイホーム探しが初めてのお客様も分かりやすいと好評です。代表・大谷様。 「不動産業界全体のイメージを高めたい」と、日々仕事の質を深められています。
有限会社 オオタニ 大谷利康 様
公式サイト | http://www.e-ootani.jp |
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所在地 |
東武野田線 馬込沢駅 徒歩3分 地図はこちら |
取材日 | 2016年4月14日 |
近場の駅前にも不動産店が何店かありましたが、激戦区なのですか?
船橋市内には、不動産店が多く存在します。ここはいわゆるベッドタウン。都心から20~25キロ圏内で、東武野田線・新京成線・北総武線も通ってアクセスが良い所です。 人口は、現在でも毎年少しずつ増えています。私どもが商圏としているのは、店舗を置く船橋市、そして鎌ケ谷市と白井市。お客様は、若者、子育て世代から高齢の方まで幅広い層が来られます。 不動産業を営むには、とてもやりがいのあるエリアだと思います。
不動産業界に入られた経緯を教えてください。
父は不動産会社に勤めていましたが、定年前に独立して、地元の船橋市で不動産業を始めました。 私は、社会人となってすぐに栃木県のハウスメーカーに勤務していましたが、2001年、27歳の時に退職し、父の会社を手伝うことに。 当時は、特に不安も感じず、気楽に考えていました。 ハウスメーカー時代の経験を活かせるようにと、建築会社の売建住宅の販売を任せていただき、さらに土地の仕入れや分譲計画なども行っていました。 やがて、自社でも分譲販売も手掛けるように。 また業務のかたわら、二級建築士の資格を独学で取得。
そして8年前に父が他界し、代表取締役につきました。当初は苦労もしました。 大変だったのは、父の知り合いの不動産ブローカーに騙されて、大きな損失を出してしまったときです。 「不動産業界には、気をつけなさい」との亡き父の言葉が身に沁みました。そして、こんな気持ちを、お客様には絶対させたくないと思いました。
御社の特徴は?
母、妻、友人と私で経営しているアットホームな会社です。契約ありきではなく、お客さんとじっくり密度濃く打ち合わせができます。不動産店でありがちなのは、お客様に物件を見せて、気に入った気に入らないで、ポンと業務を終わってしまうところです。そうではなく、マイホーム取得に関するさまざまことをトータルで対応できるサービスを行いたいと、日々努力しています。
最寄駅の東武野田線「馬込沢駅」。
右へ、坂を登ると徒歩3分で店に。
2階の打ち合わせ室。
奥は、お子様が遊ぶスペース。
@dream を導入されたきっかけは?
不動産業界に入った当初、どうやってお客様に告知し、店に来ていただくかが課題に。 そこでまず、折込チラシの配布などを主体に集客を行っていました。 一方で、自身でホームページを作ったり、ブログで物件情報を流したところ、意外と問い合わせがあったので、これからはインターネットに力を入れなければと実感。 そんな時、@dream のユーザーの方と知り合う機会がありました。ソフトを使っている所を見せてもらうと、「こんなすごいシステムがあるのか」と、心底に驚き、早速購入しました。
実感された効果は?
@dreamを導入後、「入れて良かったのかな…」という不安は多少ありました。 膨大なデータ入力を地道に行っていると、ある日、ホームページをご覧になられた最初のお客様より問い合わせが。 同じ物件が、複数の他社のネット上に出ていたそうですが、私どもの情報がとても充実していたとのこと。 また、ホームページ全体から、きちんとした仕事ぶりを感じてくださったそうです。お会いして話をすると、すぐに成約となりました。 その方より、ご注文建築のご用命をいただき、新たなお客様をご紹介いただくなど、今もお付き合いが続いています。
また、これまで、リーマンショックや東日本大震災などの厳しい時期もありましたが、お蔭様で無事に乗り切ることができています。
業務の合間に、膨大な情報を入力していくのは大変では?
確かに情報入力は、とても根気が必要な作業です。 一通り、コンテンツが充実してくれば、お客様から「こういうことが知りたい」「こんな情報が欲しい」と言われることを、どんどんと継ぎ足していきました。 「建築条件なしで注文住宅が建てたい」「家庭菜園・建築資材置用地」「投資用戸建貸家になりそうかも!?」などといった「こだわり条件」の枠も作りましたが、とても好評です。
@dreamを入れたことで、ネットワークは広がりましたか?
先日も、@dream 主宰の勉強会に参加してきました。ユーザーには、自分と同じで個人で経営されている方が多いですね。 特に個人の店舗は、地域で信頼を築き上げることが何よりも大切です。皆さんの仕事に対するひたむきな思いを共有することができ、とても励みとなっています。
1階店内の壁。
「マイホーム探しのポイント」
「この野菜が旬!」など、
大谷様が自ら作成した
壁新聞がびっしり。
店の玄関前にて。
左から、お母様の大谷しょう子様、
代表の大谷利康様、
スタッフの中村ふみ様
(奥様の奈緒様は、子育て専念中)。
ホームページでは、住宅ローンについても解説されていますね。
お客様にとって、お金の話はとても切実です。 だからこそ、住宅ローンについての基礎知識を身に付けてほしいですね。 私は住宅ローンアドバイザーの資格を活かして、お金の問題もサポートさせていただいています。 毎月、住宅ローンの新商品は10点ほど出されますが、その都度情報を集めて確認し、お客様に合ったローンをご案内します。 どなたでもネット上で、各社の住宅ローンの金利は比べることはできますが、お客様と各銀行との相性の見極めは、やはり不動産業のプロとしての判断力が必要となります。
さらに充実させたいコンテンツは?
ハウスメーカーでの経験や二級建築士として、敷地に身を置けば、どういう建物を建てられるか、何が問題になるか、おおよその見通しがつきます。 具体的には、土地探しのポイント、ハウスメーカーとの打ち合わせの仕方、図面や見積書の見方、営業担当者との交渉の進め方などが記載できればいいですね。 また、新築住宅、中古住宅の見るべきポイントもご紹介する。 例えば、こういう所がきれいに収まっていると、大工さんの腕は確かですよ、などと。 お客様が、不動産の購入について一から学べるものを作っていきたいですね。
船橋市内の住宅地。
瀟洒な新築がどんどん建ち並ぶ。
近年開かれた宅地の建設予定地に、
ハウスメーカーの幟がはためく。
資格をたくさんお持ちですね。
お客様にとって、お金の話はとても切実です。 特に宅地建物取引士の資格を、しっかり活かしていきたいです。 国家資格の「士業」となり、社会的責任も担うことになるわけですから、それに伴う知識を身に付けて、より深い提案をしたいです。 また、お金の問題をもっと広い視点でアドバイスさせていただきたいので、ファイナンシャルプランナーの上級資格を取得すること、 そして耐震診断士、ホームインスペクターなど建物についての専門的な資格を取得したいです。
ご案内した時に、あらゆる見地から、そのお客様にとって一番よい物件を判断できるようにする、不動産の専門家として自己完結したいわけです。 物件情報、そしてご提案の質をどんどん高めることが目標です。
震災のこともあり、「耐震診断」のニーズは高くなるのでは?
中古住宅の取引の時には、建物が耐震的にどれくらい大丈夫かということは、専門の知識がなくては判断できません。 不動産業者、仲介業者が、見た目だけで、「いいでしょう、買いなさい」とお客様に勧めるのも、いかがなものかと思っています。 実際、建築の知識があれば、外観、基礎、外壁、雨どいの状態を見、さらに水平器で傾きを調べれば、老朽化の度合いはすぐに分かります。
敷地選びで、お客様にアドバイスされることは?
中古住宅の取引の時には、建物が耐震的にどれくらい大丈夫かということは、専門の知識がなくては判断できません。 例えば、海抜の低い敷地、水が出れば冠水するような場所は、必ずお客様にお伝えします。 その上で、その敷地、建物を購入されたいという場合は、お断りしています。 また船橋市内は、下総航空基地から飛び立つ自衛隊の飛行機が上空を飛びますが、その爆音が響く地域も必ずお知らせしています。
地味の肥えた畑が
なだらかに広がる船橋市内。
お子様が生まれてから、より仕事に幅ができたそうですね。
子どもがまだ2歳なので、よく遊びに連れ歩きます。そのため子育ての目線で、街を見るようになりました。 おかけで、赤ちゃん連れのお母さん方に、「あそこの公園は遊びやすいですよ」「ここの店は座敷があるから、お昼ごはんには最適」などと、地元情報が提供できて喜ばれています。
休日は、子育て中の妻を手伝って、掃除洗濯の家事もやるので、家のことも分かるように。
最近一番楽しいのは、家で毎晩の晩酌していること。外で飲んだら、酔ってみっともない姿になるので、家で飲んでいます。 地域あっての仕事なので、生活態度は気をつけています。信号も青にならないと渡らないように…。
最後に、不動産業に対する想いとは?
「不動産店は怖い」「騙される」というイメージが、一般社会に根強くあります。 そして実際、私どもの店にも、そんな不動産店に遭遇し、お困りになったお客様が来られます。 一番よくうかがう話では、気になった物件を不動産店員と見に行っただけで、毎晩購入を進める電話がかかってきたり、あげくは家まで訪問されたりと。 不動産業者は、自分本位で動いてしまう人が多い。この業界は、離職率が高く、知識がつく前に辞めてしまう傾向があり、スキルが積み上がっていかない。 それで、無理強いするような営業になってしまうのかもしれません。だからこそ、私どもは、お客様と真剣に向き合う仕事がしていきたいです。 不動産業のよくないイメージを払拭して、業界全体の質を上げたいですね。
1階玄関入ってすぐの店内。
お客様は最初に、この磨かれたテーブルで打ち合わせ。
会社名 | 有限会社 オオタニ |
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住所 | 273-0048 千葉県船橋市丸山5-29-25 |
TEL | 047-406-8818 |
FAX | 047-406-8837 |
お問合せ先 | info@e-ootani.jp |
公式サイト | http://www.e-ootani.jp |
インタビューを終えて
住宅街の一角にある「不動産のオオタニ」。初めての家づくりに緊張するお客様も、代表の大谷様と面と向かうと、きっとホッとされるはず。じっくりお話を聞かれ、どんな質問に対しても、専門知識に裏づけられた答えが返ってくるでしょうから。インタビュー中に、「お客様へ真剣に向き合う」という言葉が何回も。それは、単なるフレーズではなく、当社の背骨。スタッフの方のブログを覗くと、お客様より、こんな感謝状をもらったという記事が。「あなたは 我が家のわがままを真剣に受け止め 粘り強く最後まで家の購入に寄与されました…」。ちゃんと印字されたユーモラスなもので、想いが伝わってきます。不動産業とは、街を、人を幸せにできる仕事である。そう、感じた取材でした。
(取材、撮影、編集、文章 : インターネット・コラボレーション・ライター 村上 幸 )
(取材・執筆 株式会社 物語ライティング)