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製品導入事例/バックナンバー

これまでの導入実績

第103回 ライブエステート 代表 関口悟基 様

第103回は、香川県高松市の「ライブエステート」様です。

四国経済の中心地でありながら、少し足を延ばせば史跡や豊かな自然も多く残る高松市。讃岐うどんが有名ですが、瀬戸内海に面した温暖な気候でも知られ、魚介も美味しいと評判の暮らしやすい町です。
そんな高松の町に育ったのは「ライブエステート」の関口悟基代表。自らを「賃貸職人」と称するほどこの仕事が大好きだと言いますが、かつては音楽や料理の道を志して紆余曲折の人生を歩んできたというユニークな経歴の持ち主です。しかし、なぜまったく畑違いともいえる不動産のお仕事に就き、ここまで情熱を注げるようになったのでしょう。その物語に秘められた熱い信念をたっぷり伺ってきました。

  • ライブエステート 代表 関口悟基 様

公式サイト http://www.live-es.jp/
所在地 高松琴平電気鉄道琴平線「三条駅」徒歩約15分
地図はこちら
取材日 2015年1月7日

山あり谷あり、紆余曲折の20代 ~職人気質な性格が影響して~

  • もともとはまったく違うお仕事をなさっていたそうですね?

    ええ。高校生の頃から音楽が大好きで。卒業後は音楽の専門学校で学んで、やがてはプロになりたいと思っていました。しかし、そうは言っても夢のような話ですよね?心のどこかに「そんなの無理だ」という気持ちがあったのでしょう、もう少し現実的な、ほかの人生・進路を考えるようになったんです。
    そのとき思いついたのが調理師の道でした。昔から職人気質な性格だったので、「これなら!」と思ったんですよ。

  • すると、最初は飲食の世界へ入られたのですか?

    いえ、それが違うんです(笑)。調理を学んだものの、やはり音楽への想いを捨てきれなくて。郵便局でアルバイトをしながら、仲間とアマチュアバンドを始めました。 

  • それで音楽の世界へ進まれたのですね!

    いやあ、それがまた違うんです(笑)。アルバイトの延長で公務員試験を受けて、そのまま郵便局員になりました。ところが、また職人気質な性格がムクムクと頭をもたげてきまして。安定はしていましたが、逆にそれがおもしろくなかったんですよね。
    ただ、もういい大人ですし、さすがにこれから音楽で食っていこうというほど無謀なことはできません。一応、同じ時期に宅建の資格は取得していたので、「不動産屋さんってどうだろう?」という興味が湧いたのが最初でした。でも、今思えば、本当のきっかけはもっと根源的なところにあったと思います。

  • バンドマンだった関口代表。
    パーテーションの陰にはなんとドラムセットが!

お部屋には「夢」がある! ~すべての原点は、やはり音楽だった~

  • その「根源的なところ」とはなんですか?

    やはり音楽だったんだと思います。もう少し言うと、ロック魂みたいなものですかね。自分で言うと恥ずかしいですが(笑)。
    高校卒業後に初めて一人暮らしをしたのが大阪で、最初にその「自分の部屋」を見たとき、なんとも言えない高揚感に包まれたのをよく覚えています。
    田舎からミュージシャンを目指して都会に出た若者が、オンボロアパートを借りて……という物語ってありますよね?それと自分が被ったんです。「ここからオレのサクセスストーリーが始まるんだ!」と思うと、心の底からワクワクしました。

  • それで不動産という存在が好きになったのですね!

    そうですね。実は郵便局で働いているときも、不動産屋さんへ行くのが大好きでした。友達の部屋探しにもしょっちゅうついて行きましたし、私自身も大阪だけで6回も引っ越ししたんですよ!結局ミュージシャンにはなれませんでしたが、移り住んだすべての部屋に、若き日の夢が詰まっていたように思います。それは今でも本当にいい思い出ですし、私の原点なんです。
    それから高松に帰り、地元の不動産屋さんに就職して10数年修業。独立開業してまる4年が経った今でも、心から思います。「不動産には、お部屋には、『夢』がある」と。

  • 店内のディスプレイも、良い意味で不動産屋さんとは思えないですね!

    ありがとうございます。「お客様にリラックスして過ごしていただきたい」というコンセプトで、カフェのような空間を目指して作りました。特に初めてのお客様は、必ずと言っていいほど目を見張られますね。私もお客様に「大丈夫ですよ、不動産屋さんですから♪」などと冗談を言っています

  • 壁には時代を彩った名盤LPがズラリ。
    不動産屋さんらしからぬ店内にお客様も驚くという

新築ラッシュ続く高松市 ~新しいもの好きだが、辛口な県民性~

  • 商圏とする高松市は、どんな町でしょうか。

    気候が穏やかで、魚介類の旨さは格別ですね!史跡も多く残る一方で、四国の玄関口のような存在ですので、市中心部はかなり都市化されています。
    不動産的な見方をしますと、車社会ですが坂道が少ないので、自転車を通勤の足にされる方も多いです。高松中心部にお勤めの方でも「自転車で通える範囲ならば」という観点でお部屋探しされる方は多いですよ。

  • 高松市といえば、市街化調整区域の線引き廃止が有名ですが。

    そうですね。今まで建築不可だったエリアにも建てられるようになったので、それこそ雨後の筍のように、次から次へと新築物件が林立しました。その傾向は今も続いています。 

  • すると、不動産屋さんとしては勧めやすいのでは?

    ところがそうでもないんです。県民性のようなものなのか、高松の人たちは新しいもの好きな割に飽き性で、けっこう見る目は厳しく辛口なんですよね(笑)。ですから、新築だからといって人気が出るわけではないんです。供給バランスの問題もあるかもしれませんが、新築物件のお部屋が完成前に埋まることはほとんどなく、築後半年経過しても空きが多く見られる物件も少なくありません。だからこそ、私は「(新築という)条件で売る」のではなく、泥臭くても、誠実で丁寧な仕事を心がけたいと思うんです。そこはとても強いこだわりを持っています。 

  • 高松駅前。オフィスや商業施設が入る
    高松シンボルタワー(右)は四国最高層のビルだ

  • 高松藩別邸跡地に造営された
    栗林(りつりん)公園。国の特別名勝にも指定

お客様一人ひとりに、ドラマがある ~賃貸一筋の不動産職人~

  • 売買ではなく賃貸オンリーだそうですが、これにはどんな意図が?

    売買に対して否定的な考えはまったくないのですが、賃貸には賃貸にしかない奥深さがあると思うんです。その一つが、10代の若者からご年配の方まで、お客様の層が幅広いこと。様々なお客様層と触れあえるのが魅力です。
    また売買に比べ賃貸は住み替えがしやすいですから、リピーターも多くなりますよね?たとえば初めての一人暮らし用のお部屋をご紹介したお客様が「今度、結婚するんです!」とカップルで広めのお部屋を探しに来られる――こうした、誰かの人生の節目節目に立ち会える喜びは、まさにこの仕事の醍醐味ですね。

  • お仕事をなさる上で、大事にされている信念は?

    先ほども「誠実で丁寧な仕事」と申しましたが、やはりこれも職人気質な性格の影響かもしれません、お金云々ではなく「良心に従って、正しいと思える仕事」をしたいんです。
    たとえば会社勤めをしていたころ、こんなことがありました。あるおばあさんにお部屋をご案内したところ、ご本人も大満足。「さあ契約!」となったのですが、よく調べてみると、そのお部屋はお客様にとって好ましくない条件を持っていたのです。ご本人はそのことに気付いていません。私は借りる気まんまんのお客様をあえて押し返してもう一度お部屋を探し、売上的にはあまり“おいしくない”物件をお勧めしたのです。
    会社はいい顔をしませんでしたが、私は何ら恥じることはないと思っていました。そういう仕事だけをしたくて、独立開業したんです。

  • すばらしい!まさに職人ですね!

    私が初めて部屋を借りたとき、そこには「夢」が詰まっていました。同じようにお客様にも、お部屋にまつわる十人十色の夢やドラマがあります。だから私は常に、お客様にとって最高だと思えるお部屋をご案内したい。そんな自負を込めて、私は自分を「賃貸職人」と称しています。 

  • かつて使っていた名刺は「不動産バカ」の文字が。
    骨の髄までこの仕事が好き

ホームページ・@dreamの活用 ~すべての情報を伝えるために~

  • ホームページで大切になさっていることは?

    これも私の職人魂そのままで、物件の「すべての情報」を出してあげたいんです。実は店名の「ライブエステート」も、「LIVE(生の)」へのこだわりから名付けたもの。また、今この瞬間のお部屋の「LIVE」を伝えるために、更新は毎日欠かさず行っていますよ!
    今でこそずいぶんマシになりましたが、以前はネット上の物件情報は、物件名や詳しい所在地を隠すなんて当たり前でしたよね。お客様に物件だけ特定されて、他のお店で契約されたら困るからです。私は以前からそれが不思議というか不満というか。そういう、ある意味で“悪癖”と化した慣習に対するアンチテーゼがかなりありましたね。何と言ってもロック(ミュージシャン)なので、体制に対する反骨精神が強いのかも(笑)?

  • たしかにお客様にとっては、隠されても何のメリットもありませんよね。

    そうですよ。他にも、細かい情報開示に手を抜かないようにしています。たとえば、お部屋の写真として同タイプ別フロアの写真を流用している物件情報は多いですが、私はそれをやりません。必ず「そのお部屋」の写真を掲載します。
    写真の点数が多いのも自慢ですし、お部屋の中は全体像が分かりやすい広角レンズ、外観はノーマルレンズにするなど、撮影構図やレンズの使い分けも工夫しています。投稿動画サイトと連動させたお部屋の紹介動画もかなりの量です。
    もちろん、その部屋の何が良いか、どこがマイナスポイントかも、こと細かに解説していますよ。これらは、お客様からもよくお褒めいただきます。

  • @dream導入のきっかけは?

    独立する前、懇意にしていた取引先の不動産会社さんが、インターネットだけでお客様が集まっていると聞いてずっと不思議に思っていたんです。ただでさえチラシ全盛の時代に「どうすればそんなことができるの??」と。そこで教えてもらったのがきっかけですね。 

  • @dreamを活用されてみてのご印象は?

    とんでもない武器だが、使いこなす意思の有無が成否を分ける、ということに尽きますね。私自身、すべての情報をお客様に教えてあげたいというのが基本ですので、「そのためにどの機能をどう使えば良いか」という発想をします。
    ただ、現状の活用度に満足はしていません。もっと使い方を理解すれば、もっと機能が“引き出せる”と感じています。@dreamというツールに任せるのではなく、道具として使いこなし、引き出す。使えば使うほどグローブのように手に馴染む。そういう存在ですね。

  • 詳細な情報網羅に驚くばかりの、
    「LIVE」な物件情報にこだわるホームページ

もっともっと、すべてを教えてあげたい ~不動産職人の系譜を次代へ~

  • これだけ誠実にお仕事なさっていたら、お客様はさぞ喜ぶでしょうね。

    「お客様目線」とは言いますが、本当の意味でお客様の目線に立てている不動産屋さんはまだ少ないのかもしれません。私はそこにプロ意識を持っています。だから物件のマイナス面も隠しませんし、ごまかしません。たとえそのせいでご契約に至らなくても、「これは言ってあげないと」ということはきちんと伝えてあげたいんです。
    そうそう、嬉しかったのは、先日お客様がメールで「あなたの接客は本当に素晴らしい!」と言ってきてくれたこと。これだから「賃貸職人」はやめられません!

  • 今後のホームページや@dream活用についてお考えのアイデアは?

    もっともっと物件の情報を徹底開示したいです。お部屋だけでなく、物件周辺の街並みを紹介する動画も充実させたい。情報を出し始めると「もっと!もっと見て!」という気持ちがどんどんわいてくるんですよ。情報の出し惜しみをされる不動産屋さんもいらっしゃいますが、むしろなぜ出さないのかと思いますね。出したほうがお客様もたくさん来てくださるのに。 

  • では最後に、今後の目標やビジョンをお聞かせください。

    私はこの高松の町で、「きちんとした不動産会社がきちんと地域に根付く」社会を作りたい。
    「職人」って、代々引き継がれる存在ですよね?そういう意味で、私はもっと「賃貸職人」を増やしたいんです。社員を雇って「職人魂」を伝え、育て、やがて彼らが暖簾分けのように独立開業していく。そしてその系譜はさらに次の世代へと紡がれる……そんな風になれたらいいですね。

  • お客様から届いたメールには、
    関口代表の接客姿勢を絶賛する言葉が並ぶ

  • 「ことでん」が走る高松の町。
    ここにもっと「賃貸職人」を増やすのが関口代表の夢だ

会社名 ライブエステート
住所 〒760-0079
香川県高松市松縄町1052-1
TEL 087-813-8277
FAX 087-813-8288
お問合せ先 info@live-es.jp
公式サイト http://www.live-es.jp/

インタビューを終えて

正しいことを正しく行い、胸を張ってお仕事をする。誰もがそんな理想を抱きつつも、 「現実」に押し返され、妥協することも少なくありません。
しかし、関口代表は違いました。ご自分の信念を決して曲げず、お客様に「本当のこと」を伝え続けるその仕事観・生き方は、まさに「職人」。 近江商人の「三方よし」の精神をも連想させるその姿勢には、頭が下がるばかりです。
一方で音楽の道を目指したり、調理を学んだり、公務員になったりと、その波乱万丈な人生もとてもドラマチック。 大好きなロックミュージックが叫び続けた「自由と反骨」のスピリットも、脈々と経営に息づいています。
これからも不動産の「ライブ」を伝え続けてくれるに違いありません。

(取材・執筆 株式会社 物語ライティング)