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製品導入事例/バックナンバー

これまでの導入実績

第115回 ミカハウジング 代表 郡司美香 様

第115回は、2014年(平成26年)創業以来、小田急相模原駅(通称「オダサガ」)から徒歩20分エリアを中心として、主に賃貸物件を手がける「ミカハウジング」様をご紹介します。

代表の郡司様は、大手百貨店営業職の経験を生かした「顧客分析」「マーケット分析」の手法で業績を伸ばし、創業2年にして「2016年Best@dream活用賞」を受賞されました。女性目線の細やかな情報発信やサービスも大好評です。今回、郡司様には、顧客の立場に立った不動産業にかける真摯な想いをうかがいました。

  • ミカハウジング 郡司美香様

公式サイト http://www.mikahousing.jp
所在地 小田急線小田急相模原駅より徒歩6分
地図はこちら
取材日 2017年2月6日

女性目線を大切に ~地元「オダサガ」で、あらゆる世代のお部屋探しを~

  • 「小田急相模原駅」周辺の魅力を教えてください。

    昔ながらの商店街と駅前開発での新しい店舗が建ち並ぶエリアです。アクセスは抜群で、急行停車駅の相模大野まで3分、町田まで6分の近さ。そして都心の新宿へは40分ほどです。家賃も安く、シングルタイプでも2万円からあり、駅徒歩3分以内でも物件を見つけることができます。通勤がとてもラクな、住み心地の良いところですよ。

  • どのような客層ですか?

    内訳で言えば、シングル50%、カップル30%、ファミリー20%。シングルは会社勤めの20~30代、カップルも20~30代で結婚間際かお子様が近々お生まれになるといった方です。この層はホームページ経由でのお問い合わせが多く、シングルで6~10万円、ファミリーでも7、8万円の物件から求められます。もう一つの層は飛込みで来られる方で、60~70代のご年配のお客様が多いですね。物件も安いものからご紹介しています。また、お客様の割合は男女半々です。単価や条件は人それぞれ全く違いますが、どんな方であってもご希望とされる住まいを、最善を尽くしてお探ししています。

  • 御社の一番の特色は?

    女性目線でのご提案です。物件の特徴においては、キッチンの使いやすさや洗濯機の大きさなど、細かなところまでお伝えしています。また女性のお客様の中には、男性スタッフが一対一で対応することに抵抗感を抱く方がおられます。女性の私であればこそ、ご自身が住むかもしれないお部屋に入ったり、プライベートなことを安心して打ち明けられるようです。
    また私の地元は相模原なので、お部屋の案内だけでなく、住んでいるからこそ知り得る情報もご提供できます。

  • 通称「オダサガ」の名で
    親しまれる小田急相模原駅。

  • 駅前から1km伸びる
    サウザンロード相模台商店街。
    個性的な店々が軒を連ねている。

@dream導入後の成果 ~「どん底」を救ってくれたユーザーの先輩たち~

  • @dreamを導入されたきっかけは?

    開業前は、ある不動産店に勤務していました。会社の代表としてキヤノンが主催する説明会に参加したとき、初めて@dreamのことを知りました。すごく良いシステムだと思い、独立前、改めて@dream大賞DVDの3年分を見たのです。特に京都の不動産店「ミナージュ」増原玲雄社長の発表に心ひかれました。さまざまな努力を重ねて、最終的に「このような売上げを達成した」などと具体的に話されるので、私にもできるのではないかと思ったのです。それで導入を検討しましたが、費用が数百万円単位なので、「ああ無理…」といったんは断念。しかし2014年2月に開業した後、飛込みのお客様だけではやっていけないことが判明し、思い切って導入を決意しました。

  • 成果はすぐに現れましたか?

    まったくです! 当初は「返品したい」とまで思いました。@dreamの担当者から「すぐに成果は出ませんよ」と言われていましたが、半年もすればアクセスが増えるのではと期待していました。しかし、導入7カ月たってやっとシングルタイプを要望される男性のお客様一人を成約できただけ。1年経過しても状況は変わらず、資金繰りも滞り、「もう潰れる…」というところまで追い込まれてしまいました。困り果てたとき、@dream神奈川ブロックの勉強会に参加したことが救いに。導入のきっかけとなった「ミナージュ」の増原社長が特別講師で来られていたので、アドバイスを求めたのです。すると京都に帰られた後、私のホームページを見られて、ダメなところを細かく指摘してくださいました。特に、「詳細情報が少ない。女性のきめ細やかさをアピールすべき」と言われ、具体的にどう独自色を打ち出していくかを真剣に考えました。すべてを改めた後、成果が現れ始め、お客様の割合も次のように変化していきました。飛込みが1年目「65%」、2年目「50%」、3年目「18%」と縮小していく一方で、ホームページ経由は1年目「0%」、2年目「36%」、3年目「50%」と逆転していきました。

  • @dreamユーザーのネットワークを、とても大切にされていますね。

    年に3回開かれる神奈川ブロックの勉強会は必ず参加します。ユーザーの先輩方から、ダメ出しや改善点など率直な意見をいただいています。時には相談にも応じてもらい、例えば、「手持ちのないお客様にも融資をしてくれる銀行を知りませんか?」とうかがえば、適切な金融機関をご紹介してくださることも。本当にありがたいと思います。

  • 小田急相模原駅北口から
    見渡した街の風景。

  • 再開発事業で建設された
    「ペアナードオダサガ」。
    レストラン、アミューズメント施設、
    保育園などが営業している。

どんな情報をアップするか ~百貨店時代の「顧客分析」を応用~

  • ホームページで工夫されているところは?

    「女性向けのポイント」という項目をつくり、「安全性」の観点から、お部屋探しで注意する点を解説しています。「2階以上で周囲に足場となるところはないか」「防犯シャッター付き雨戸か?」「外灯、照明が整備されている物件か?」など、具体的に。「初めて向け」「学生向け」「家族向け」などお客様に合わせた「ポイント」も各々アップ。また、「オダサガ」の街情報も詳細に盛り込んでいます。コンビニやスーパーだけでなく、病院や保育園・学校などの重要な施設の一覧も紹介しています。

  • 物件情報もかなり詳細です。

    正確を期すために物件を自分の目で確認してから、改めて手書きで間取図を描いています。行ってみたらウォシュレットがなかったり、既存の図面が反転していたりするからです。そしてコメント欄には、良いところばかりではなく、「中は改装していますが、建具は古くて重たいです」などと悪いところもしっかり書くので、「信頼できる」とお客様に好評を得ています。

  • 設立2年で「Best@dream活用賞」を受賞されましたが、顧客分析の手法が斬新ですね。

    私は長年、大手百貨店の販売部に勤めていたので、「顧客分析」と「マーケット分析」を駆使することは当たり前の感覚でした。「この街にはどういうお客様がいて、どんな品揃えをすれば商品が売れるのか」を常に分析し、戦略を立てます。そして月ごとに「こういう仕掛けをしたから売上げが伸びた」「この点が足りなかったから売上げが下がった」などと報告をまとめ、来月の方針を決めます。また、お客様が購買を決めるとき、目からの情報が6~7割であるという「ビジュアル・マーチャンダイジング」の理論に沿って、商品陳列の視覚効果にも気を配りました。
    それら手法を不動産業に本格的に応用したのは、設立1年目のどん底だった時です。お客様も来られないし、時間もあったので、それまでのお客様の希望条件、年齢、性別、引越し理由、物件の好みなどを全部書き出してみたのです。するとさまざまなことが判明しました。例えば、「駅徒歩10分の希望の方が、ほぼ100%」と分かりました。しかし、あと5分歩くと、商店街突き当りにある「国立相模原病院」や隣の相武台前駅との中間にある県道まで行くことができます。それで、少し範囲を広げて掲載物件数を増やし、新しい客層も視野に入れることにしました。
    また、ホームページ経由のお客様は、バス・トイレ一緒の物件が良いという方が「一人もなし」ということも分かりました。そこで、「バス・トイレ別」で、築年数が新しくて見た目が綺麗で、セキュリティーの良い物件を選んで掲載することに。すると、アクセス数が増えてきたのです。これまでは、物件数を増やしたいばかりに、古く空き室の多い物件を載せていました。分析してみて、「ああ、私、今まで真逆のことをやっていたんだ!」と、初めて気づいたのです。

  • ミカハウジング様のホームページ。
    「女性向け」をはじめ、「初めて向け」
    「学生向け」「家族向け」の
    「ポイント」を紹介したコーナーが、
    とても分かりやすい。

お客様の「難題」 ~「困った人を助けたい」という想い~

  • 思い出深いお客様はおられますか?

    たくさんあります。82歳のおじいちゃんのお部屋探しが大変でした。以前住んでいたアパートが取り壊しとなり、住まいを失われました。しかしどの不動産店に行っても年齢で断られたそうです。その方が当店に飛込みで来られたとき、「もう住むとこがないかもしれない…」と心が折れてしまっていたので、「大丈夫だよ、絶対見つけるから!」と請け合ってしまいました。ご要望も難しいもので、「歳なので1階でないとダメ」「荷物が多いから2部屋ほしい」「月5万円以内」といったもの。当時車に乗られていたので、管理会社には「運転もできる方なので、頭もしっかりされています!」などと懸命にアピールし、なんとかお部屋を見つけることができました。その時は、本当に嬉しかったですね。
    国立病院に医師として勤務される方のお部屋探しも難航した一つです。その方は地方の大学に通学されていたので、ご両親が当店に来られて、「屋根有り駐車場付き10万円」の賃貸マンションを探しました。さまざま物件を紹介しますが、ことごとく気に入られません。所有される外車が特殊な大きさで、駐車場に入らないからです。そこで、駐車場のパレットを巻き尺で測って、車の大きさと合う物件を探し出し納得してもらいました。

  • 「そこまでやるか…」という感じですね。

    今、頭を悩ませているのは、化学物質過敏症のお客様で、もう丸4カ月も物件を探しています。壁のビニールクロスや、新しい床もダメなど、条件がとても厳しいからです。現在住んでいるマンションでこの症状となり体調を崩されたので、あと1カ月後に引越しされることを決められています。「これ以上時間をかけても、見つからないのでは」と思いながらも、「もし私が見放したら、この人はどこに住むのだろう…」と、気の毒になってしまいます。不動産店として、「どこで一線を引けばいいのか」というのは、答えが見つからない問題ですね。

  • 白を基調とした
    ミカハウジング様の店内風景。
    スッキリしている。

  • お客様の相談を
    一対一で受けるテーブル。

「不動産業」にかける ~仕事のやりがいは1000%!~

  • 今後の展望とは?

    少なくとも成約率を50%まで上げたいですね。成功されているユーザーの先輩には90~100%の方もおられますから。そのためには、当店のファン、リピート客づくりに力を入れています。引越し当日、または翌日にお客様のご自宅をうかがい、新婚さんなら花束、ファミリーならお子様にクッキーをお届けします。また一度お客様となった方には、毎年、バースデーカードを手渡しでポスティングし、暑中見舞いと年賀状も欠かさず送ります。ツイッターでは、一日10回、「新規物件です」「家賃が下がりました」などの不動産情報を発信しています。そのかいあってか、以前のお客様から、またお部屋探しを依頼されることも増えてきました。

  • 他業界から不動産業に転身されたことは、正解でしたか?

    この仕事が好きです!自分に合っていると思います。
    不動産業界に入ったきっかけは、百貨店勤めの最後、外商に配属されたことにさかのぼります。資産家のお得意様を廻り、宝飾からお茶まで高価な物を訪問販売しました。お客様には可愛いがっていただき、食事に呼んでいただくほど懇意にしてくださる方もいらっしゃいました。
    しかし親しくなるほど、数十万円、数百万円の高級品を「押し売り」をしているようで心苦しくなりました。店舗販売時代に経験した、お客様のご要望に必死に応えていく喜びが見い出せなかったのです。それが辛くて退社し、いろいろな経緯を経て不動産店を起業しました。一時、「もう食べていけない」といった状態から、なんとか自分の給与が出るようになったときは、ものすごく嬉しかったです。同時に、畳店を経営していた親に感謝の気持ちがわいてきました。厳しい自営業をやりながらなんとか子どもを食べさせ、学費まで出してくれたのですから。
    今、仕事のやりがいは1000%です! 困っている人に、できるだけ希望に叶ったお部屋を見つけて、「ありがとう」と言われたとき、「私、このために起業したんだな」と、実感しています。

会社名 ミカハウジング
住所 〒252-0314
神奈川県相模原市南区南台5-14-22
TEL 042-705-2591
FAX 042-705-2592
お問合せ先 info@mikahousing.jp
公式サイト http://www.mikahousing.jp

インタビューを終えて

一見、不動産屋には見えません。女性のお客様も安心して入店しやすい、明るく洗練されたデザインの店舗です。郡司様の細やかなお心遣いが表れています。外見だけでなく、百貨店の販売戦略の基礎である「顧客分析」「マーケット分析」を駆使した経営も、不動産業界には新しいもの。お話をうかがうと、数字を積み上げて分析する理知的な面もありつつ、むしろ「情」の人だと感じました。「住まい探しに困っている人を手助けしたい」という想いを強くお持ちだからです。成約したら関係が終わりなのではなく、街角でかつてのお客さんを見かけられたら、手を振って挨拶されるそうです。「ミカハウシジング」は、「オダサガ」の街に暮らし生きたいという人々を温かく迎え入れる、とことん親身な不動産屋さんです。

 

(取材、撮影、編集、文章 : インターネット・コラボレーション・ライター 村上 幸 )