製品導入事例/バックナンバー
第33回は、兵庫県芦屋市宮川町にある「エースホーム」さんです。
芦屋市は、高級住宅街として知られ、関西人にとって憧れの場所といえます。市の景観条例で保護された落ち着いた街並み、その上、交通の便もよく、大阪市の中心部まで電車でわずか20~30分で移動できる好立地。「エースホーム」さんは、2007年、便利で環境に恵まれたこの地で開業しました。芦屋を知り尽くしているだけに、ホームページにも地元への愛情があふれています。ネットをいかに活用し、お客様の心をつかんでいらっしゃるのか。
その戦略をうかがいました。
株式会社エースホーム 社長 須佐見様
公式サイト | http://acehome-joho.co.jp |
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所在地 |
JR神戸線 芦屋、阪神本線 阪神芦屋、阪神本線 打出 より
いずれも徒歩8分 地図はこちら |
取材日 | 2009年1月8日 |
妻の父が不動産会社を経営しています。それで妻に「いずれは不動産で独立したら」と勧められました。結婚当初は、自動車会社で営業をしてましたが、西宮市の不動産会社に転職し、そこに10年間勤務。区切りがよかったので独立しました。
スキーです。学生時代から20年ほどやっています。会社勤めの頃は、連休をとってよく出かけましたね。
日帰りで長野でも行ってましたよ。 家にじっとしているより、外に出てスポーツをするのが好きですね。
休みの日、近くの宮塚公園で、妻と2歳半になる息子と3人で遊んでいる時かな。
店の2階が自宅なので、通勤時間が短縮できます。
その分、家族との時間を大切にしたいと思っています。
開業当初は、 どうやって集客されていたのですか?
ネットは最初から重要な集客ツールと考えていたので、開業と同時に、知人に頼んでホームページを立ち上げ、ブログも開設していました。しかし、アクセスは少なく、1日にせいぜい50件ぐらい。実は、@dreamを導入するまでの3カ月の間、ホームページを通じての成約は、1件もなかったんです。はりきっていただけに、危機感を感じましたね。他の集客ツールは、新聞折込のチラシぐらいです。
どのようにして経営を成り立たせていたのですか?
うちでは、中古マンションから新築戸建て・中古戸建て・売り土地まで扱っています。同業者から販売依頼を受けて売ることもあれば、土地の売り物件を業者に売り、建物を建ててもらってから、こちらで販売するなど、業者間の取引も多いんです。そうしたルートでの売買益などが売り上げの中心でした。
最初のホームページはどんなものだったのでしょう?
想い描いてものとは違っていて、正直、「これぐらいしかできないのかな」とがっかりしました。もっと機能的にしたいと思っても自分ではできません。何かを加えるたびに、追加料金がかかってくる。理想のホームページをつくるには、労力と費用がかかるということを後で知らされたんです。このまま拡張しても意味がないなと思いました。
須佐見ご夫妻と
事務員の小野益子さん(左)
「@dreamは最高!」とパソコン講師
でもある小野さんが太鼓判
@dreamを知ったのはいつ頃ですか?
勤務していた不動産会社は毎週、新聞広告を入れて集客していました。私がやめる少し前ぐらいから集客率が落ちていて、その頃「これからはインターネットで集客」だと思い、金丸社長の『街の不動産屋さん、“待ち”の経営から抜け出す』を読んでいたんです。しばらく、本のことは忘れていたのですが、開業後、うまくいかないホームページを見ていて、ハッと思い出しました。
導入を決意したのはなぜですか?
デモを見せてもらうと、新規物件を入力するだけで「NEW」マークが点滅する。しかも、1週間で自動的にマークを消してくれる。驚きましたね。これまでは、それをいちいち手作業でやらなければならなかったんですから。システムとして完成していたことが購入の決め手になりました。もうひとつは、電話による無料相談窓口です。パソコンやホームページのことを全然知らなかったので、これは心強いと。申し分ないソフトでしたが、価格を聞かされて2週間ほど迷いました(笑)。でも、決めてよかったです。
導入作業はうまく行きましたか?
最初は、まったくわからず、毎日のようにITサポーターさんに電話していました。通話が1時間を越えたこともあります。でも、とてもていねいに教えてくれるので、徐々にコツをつかんでいきました。
ITサポーターさん以外で、役に立ったことはありますか?
@dreamを導入した企業向けの講習会があるんです。そこで情報交換をしたのが、役に立ちました。例えば、トップページの検索のしかたなど、以前のホームページでは、「最寄り駅」と「市町村」でしか調べられなかったので、駅は文字の羅列ですましていたんです。
講習会でアイデアをもらい、今は「市町村」「価格」「沿線」で検索できるようにしています。ちなみに沿線のイラストは、ITサポーターさんに教わりながら手作りしたものなんですよ。
変化を実感することがありましたか?
導入当初はコンテンツも少なく、いいなと思うサイトにはなっていませんでした。ですから、急にアクセスが増えるということはありませんでしたね。でも、そこから、独自性を持たせるために、パソコンの得意な事務員に無理をいって手伝ってもらい、半年かけてコンテンツを増やしたんです。それから、業績は右肩上がりになってきました。
現在、ネットでの集客はいかがですか?
アクセス数は、2008年の10月、11月で1日平均200を超えています。当初の4倍に増えました。ちなみに今、うちの成約数は、5割以上がホームページからのお客さんです。ホームページが主力になればいいなとは思っていましたが、現実になるとは思いませんでした。
物件はどれくらい公開されているのですか?
一般物件で約470件、会員物件で約870件です。最近は、特に、マンションの売れ行きが好調なので、芦屋市のマンションと西宮市のマンションのアイコンを目立つところに配置しています。これらをクリックすれば、これまで扱ったマンションが全部見られるようになっています。
最も大切にされていることはなんですか?
「また、来てもらえる」ホームページにすることです。住宅は、ホームページで一度見て即、購入されるようなものではありません。いくつか比較検討されるはずです。ですから、まず、毎日更新し、新しい物件を切らさないようにすること。トップページのまん中に、新物件の写真を8つ入れていますが、これ、いつも「NEW」マークが消えないように入れ替えているんですよ。
写真がとても、きれいですね。
そうでしょう。
800件以上、すべて、現地まで足を運び、自分で撮影したものなんです。
撮りに行くたびに、日当たりがどうか、周囲に何があるかなど、自分の
目で確かめてきて、PRポイントを物件情報の「Webコメント」欄に書いて
います。
写真の数も、外観、エントランス、建物の前の道路など、最低3点は載
せ、わかりやすいようにつとめています。
右サイドには、地域の情報が掲載されていますね。
それ、ITサポーターさんに教えていただいたアイデアなんですよ。
操作だけでなく、どんなやり方が集客に結びつくかも、多くの成功事例を見ていらっしゃるので、相談しながら戦略を練ることができます。
駅、交通機関、学校、病院など、クリックですべてそれぞれのホームページに飛びます。ちなみに、これらの写真も物件を撮影しにいく途中で私が撮影しています。
ブログにはどんなことを書いているんですか?
毎日更新しているので、物件情報だけではもちません。タウン情報、日々の出来事、プライベートな事まで、何でも書いています。アクセスは1日120ぐらい。お客様を送り迎えする車のタイヤを替えた日に「乗り心地がよくなった」と書いたら、しばらくして、そのタイヤメーカーから連絡が入り、取材をうけることになりました。家族3人がドライブしている写真がブリジストンのサイトに掲載されたんですよ。サイトを見たお客さんに「可愛い子どもさんがいらっしゃるんですね」と声をかけられました。
ブログが成約につながることはありましたか?
それが驚いたことに、ホームページに掲載する前に、ブログだけで成約した物件があるんです。
売主さんの都合で、ホームページ掲載が不都合なものや、価格が確定できないものなどは、先にブログに「○○町でこんな物件が出ますよ。詳細は問い合わせてください」と書いておくようにしていました。
その中から1件でだけでしたが、ブログを書いたその日に「その物件は、おいくらですか?」と問い合わせがあり、その翌々日には成約しました。
もうひとつブログがあるそうですが。
@dreamを導入した関西の不動産会社10社で「うまいもんブログ」を
つくって美味しいものを紹介しています。
2007年の秋、講習会で集まった時に、うまいもんの話で盛り上がっ
たのがきっかけです。
ひとりで紹介するのは続かないかもしれないけれど、交替に書くな
らネタに困らないだろうと。
情報交換や息抜きが目的です。
メルマガも発行されているんですか?
2週間に1回発行しています。こちらは、物件情報だけでなく、不動産を探している人に役立ついろんな情報を掲載しています。例えば、今年の第1号は、住宅ローン税制改正の話でした。そのほか、来店や電話で問い合わせを受けたことを話題にし、その答えを記事にすることもあります。たぶん、誰かが疑問に思っていることは、他の人もそう思っていることが多いもの。メルマガではさすがに、成約に直結というのはありませんが、読者が別のお客さんを紹介してくださることは何度かありました。
インターネットと関係なく、来店する方もいらっしゃるのでは?
一度買っていただいたお客さんからの紹介で来店される場合が多いです。「親切でていねいだから」など紹介していただき、裏切ってはいけない、と責任を感じています。私の自慢は、会社員時代を含め12年、地域密着でやってきたので、地元をよく知っていることだと思います。例えば、「ある学校が人気だ」というだけでなく、なぜ人気か特徴なども知っている。小さいお子さんのいらっしゃる方が芦屋にこられるとするでしょ。普通は、中学に上がったときのことまで考えませんよね。でも私なら、物件だけでなく、どう暮らすかも、お客さまに応じてアドバイスできますよ。
これから@dreamを導入される方に、一番の魅力を教えてください。
やはり、入力や修正などの作業が格段と楽になることでしょう。
もう、以前のように一つ消しては一つ入力しながら、1ページ、1ページつくっていくなんて考えられません。
@dream仲間は、情報交換以外にどんなメリットがありますか?
昨年末、東京の「@dream オブ・ザ・イヤー2008」に出席しました。成功した人たちから、直接話が聞けるのは刺激になりますし、モチベーションも上がります。このとき、大賞を受賞された「みつばちハウジング」さん、前年度部門賞を受賞された「吹田不動産」さんと交流することができました。これが縁で、うちを含めた3社+αで「不動産屋からみたいまどきの不動産事情」のブログを立ち上げる話が進んでいるんですよ。@dream仲間と楽しく学び合いながら、一緒に成長していけたらと思っています。
ネットを活用した成果は、数字に反映されていますか?
設備投資としては価格がはるため、躊躇される方もいらっしゃるかも
しれませんが、うまく活かせばリターンは大きいですよ。
アクセス数は4倍。成約数も倍近くになりました。
おかげで、ホームページのコンテンツを手伝い、入力で「腕が上がら
なくなった」(笑)という事務員さんの給料をアップでき、「頑張ったか
いがあった」と喜んでもらっています。
清潔感のあるすっきりとした店内
@dreamを導入したものの苦戦している方もいるかと思うのですが。
誰でも最初は時間がかかります。操作が分からないときは、ITサポーターさんに1から教えてもらうのが一番。軌道にのれば、きっと楽しくなってきます。私は、デスクワークもパソコンも嫌いでしたが、なぜか1日3時間は机の上でHPをさわっていますし、ブログも複数、メルマガまで発行するようになったんですから。
軌道にのせるまでのアドバイスをいただけますか?
講習会や懇親会など、@dreamの仲間と出会えるところは、時間をつくってでもいくこと。
地域や客層によって方法は違いますから、できるだけ多くの事例を集め、いいと思ったものをどんどんまねていくのがいいと思います。
失敗例などもあるんですか?
「ブログを書かなくなった」とお客さんに指摘されたということを聞きます。
やっていたことをやめるのは、あまりいい印象は与えないし、集客の効果も薄れます。
だから、チャレンジ精神はいいけれど、一度やったら続ける忍耐力も必要だと思います。
これからの目標を教えてください。
基本的には、これまでどおり、地域密着の姿勢を貫きます。
また、自社で企画したオリジナルの物件にも力を入れていきたいと思っています。
オリジナル物件のひとつとして、中古マンションをリフォームしたものがありますが、それを昨年、リフォーム後の写真を5枚ぐらい撮ってホームページに載せたら、右から左に売れました。
ホームページは、今後、どのようなところを工夫していきたいですか?
@dream導入後、1年半経ってやっと何とか形になってきたなと思います。
でも、欲が出ますね。今、ITサポーターさんと相談しているのは、マップのこと。
現状では、物件からグーグルの地図に飛ぶしくみになっていますが、逆に地図に物件を落として、クリックすれば物件情報へ移動するようにできないかなと思っています。
「いつもできたてのホームページ」を提供し続ける須佐見社長。 今後ますますのご活躍を期待しています。今日はどうもありがとうございました。
会社名 | 株式会社 エースホーム |
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住所 | 〒659-0063 兵庫県芦屋市宮川町7-17 (県立芦屋高校東側) |
TEL | 0797-38-0500 |
FAX | 0797-38-5888 |
お問合せ先 | susami@acehome-joho.co.jp |
公式サイト | http://acehome-joho.co.jp |
インタビューを終えて
「パソコンは苦手」「デスクワークは好きでない」とおっしゃる須佐見社長ですが、
毎日、欠かさず愛情をかけて、ぐんぐん成長していくホームページを
子どものように可愛がっていらっしゃることがわかりました。
@dreamは、その名前のように、大きな夢をみさせてくれるようです。
(取材、撮影、編集、文章 : インターネット・コラボレーション・ライター 村上 幸 )