製品導入事例/バックナンバー
第42回は、大阪市北区天神橋にある「フラーリシュハウス」さんです。
天神橋といえば、日本一長いといわれる「天神橋筋商店街」が有名です。
南北2.6キロメートルのアーケード街は、約600店が軒を連ね、
暮らしに必要なものが何でも揃います。また、「大阪天満宮」のお膝元とあって、夏は天神祭、年始は初詣など季節ごとに賑わいをみせます。
「フラーリシュハウス」さんは、2005年、この地に、近藤社長のお父様が経営する「近藤不動産」の子会社として、開業されました。
お客様に負担をかけたくないという、近藤社長のお考えにマッチした「フラーリシュ(繁盛、繁栄の意)」というネーミングのやさしい響き。
2007年に@dreamを導入することで、ますますお客様本位のサービスが実現されているようです。導入後の変化と運用の実際についてうかがってきました。
フラーリシュハウス 近藤社長
公式サイト | http://www.fhc.co.jp/ |
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所在地 |
地下鉄堺筋線「扇町」駅より徒歩1分、 JR環状線「天満」駅より徒歩5分、 地下鉄谷町線「南森町」より徒歩7分 地図はこちら |
取材日 | 2009年10月8日 |
「近藤不動産」という会社を経営している父が、16~17年前、現在の場所に賃貸メインの店舗をつくりました。数年後、この店の店長になってから現在まで約15年間、不動産業に関わってきました。賃貸の需要が伸びていくにつれ、単身者や若い世代のお客様にも立ち寄っていだけるよう、店舗のイメージチェンジを図る必要性が出てきました。そこで、2005年、名称を新しくして「フラーリシュハウス」を開業しました。軌道に乗るまでの1年間は、父の友人が代表で、2006年から私が社長を務めています。
妻の第一印象は、ほんわかとした可愛いらしい感じで、すっかり一目惚れしてしまいました。通常、成約率を考えれば、3~5物件に絞り込んで、その中から選んでいただくことが多いのですが、この時は、10件以上の物件を、しかも自宅まで届けました。
2年前ぐらいから、毎朝、出勤前に天満宮に立ち寄りお参りをしています。日頃の感謝を伝えたり、商売繁盛の祈願をしたり、一般的な内容ですが、手を合わせると気持ちが落ち着きますし、続けること自体に意味があると感じています。私たちの仕事も、物件の登録、更新、情報の送付と日々、同じことを繰り返しです。しかし、お参りを始めて、そうすることの尊さに気づかされました。
開業当初から、ホームページはありましたか?
10年ぐらい前、業者に頼んで作成したホームページがありました。
単に所在と事業内容を示しただけのもので、まさに”あるだけ状態”でしたね。
物件については、自社のホームページでなく、「ホームズ」など賃貸住宅のポータルサイトに登録していました。
それなりに問い合わせがあったので、これからはネット上の集客がメインになるだろうなとは考えていました。
ポータルサイト以外では、どのような方法で集客なさっていたのですか?
チラシの新聞折り込みを月1回。それから、私とスタッフの3人でポスティングをしていました。
あとは、「フォレント」という賃貸の情報誌にも物件を出していました。いずれにしても、紙媒体が中心です。
地下鉄堺筋線「扇町」駅前。
北の中心地・梅田まで歩いて20分程度。
営業は近藤社長、入力は
事務員の木田壽子さん(右)
と二人三脚。
@dreamはどのようにして知ったのですか?
存在自体は、キヤノンさんから聞いて知っていました。便利そうだけど、高額なのでどうかなと思っていました。
思い切って導入された理由は?
金丸社長の本を読んで、自社のホームページを集客の柱にしたいと思ったからです。賃貸住宅のポータルサイトは、いくら物件を登録しても、所詮は借り物。登録をやめたら、すべてゼロになり、何も残りません。サイト自体がなくなる可能性だってあるのです。わかってはいたのですが、当時の集客は、ポータルサイト頼みで、多い時は1000件ぐらい登録していただけに、やめるにやめられず、ジレンマを感じていました。何かいい方法がないかと思っていた矢先に、社長の本に出会い、背中を押されたんだと思います。
@dreamを導入して、いかがですか?
画期的ですね。何をするにもあっという間にできます。例えば、見込み客へ物件情報を送るとしましょう。紙媒体ならば、電話で希望条件を聞いて、電話を切ってから、それに合う物件をファイルから探してコピーし、FAXを送っていました。それだけで3~4時間はかかることもありました。ところが、@dreamなら、電話で希望条件をお聞きしながら、パソコンの画面をみて必要な条件のチェックボックスにチェックを入れていきます。マッチングボタンをクリックすると、条件にあった物件だけがズラリと出てきます。あとは、メールの送信ボタンを押すだけ。椅子に座ったまま、わずか5分でお客様へ最新の物件情報をお届けすることができます。
お客様の評判は、いかがですか?
すこぶるいいですね。以前、5~6社の不動産会社に同じ希望条件で、物件紹介を頼んでいたお客様がいらっしゃったのですが、すぐに物件情報を提供できたのは当社だけだったようです。大変喜ばれ、成約につながりました。
現在、ネットでの集客はいかがですか?
2007年6月に導入後、丸2年が経過し、少しずつではありますが、反応がよくなってきました。アクセス数は、当初、1日平均30件ぐらいでしたが、今は多い時で70~80件に上ります。希望条件登録数も、当初、ひと月に数件でしたが、月10件はかたいですね。ホームページ経由のお客様の成約率は、全体の10~20%程度ですが、毎月着実に増えています。これから、いっそう力を入れていきたいと思っています。
物件の公開数や売れ筋傾向などを教えてください。
総物件が約7700件、このうち2000件近くを公開しています。人気があるのは、ファミリータイプのマンション。目立って増えているのは、IT関連の会社やSOHOが事務所使用可のマンションを借りるケースです。また、クリックが多いのは、貸店舗の物件です。需要はあっても、成約にはつながっていないので、いい物件を増やさなければなりません。どんな物件やカテゴリーが求められているかサイトへのアクセスを通じてわかるので、いち早くニーズに応じた対策が講じられるのがいいですね。
大切にされていることはなんですか?
物件情報の質量ともに充実させるだけでなく、希望の物件に到達するまで、お客様の負担を最小限にとどめるために、見やすく、探しやすく、わかりやすく工夫することです。ホームページは、じっくりとみていただきたいので、色やデザイン、コピーなどすべてにおいて、お客様に圧迫感を与えないように心がけています。
トップページにたくさん新着物件が載っていますね。
新着物件は常時25件を掲載しています。
シングル、ファミリー、貸店舗・事業所、飲食店舗など、ひとつのカテゴリーにつき5件を表示しているので、トップページをご覧になった時点で、どこかに関心を持ち、クリックしていただける可能性が高いと考えています。
「こだわり条件」で選べるのがいいですね。
こだわり条件は、デザイナーズ物件、ペット可物件、バス・トイレのセパレート物件、初期費用控え目物件など22項目。珍しいのは、ミストサウナ付バスのある「プチエステ物件」でしょうか。これは、ITサポーターさんに「賃貸にそんな設備があるのは、面白いんじゃないですか」と言われて気がつきました。私たちは単なる設備の一種だと思いがちですが、お客様目線で見直すと魅力のひとつになります。ITサポーターさんからは、ときどき新鮮なアイデアをいただき、助かっています。
お客様が希望する物件を探すコツは?
希望条件登録ページは、最初に設定されていた項目を減らしました。なぜなら、たくさんの条件をクリアして抽出された物件が必ずしも、お客様が求めているものとは限らないからです。入り口を広くしておいて、パソコンができないことは、人間がフォローする。お客様の価値観や生活スタイルをお聞きし、想像力を働かせて、別の切り口からふさわしい物件を提示すると、それに決まることもあるものです。
物件の紹介で工夫なさっていることは?
物件をポンと載せるだけでは、関心を持ったとしても、電話するか来店しなければ、それ以上詳しく知ることはできません。面倒さが先に立って、関心が薄れる可能性もあります。そこに住んだとき、どんな生活がおくれるのか、お客様が想像できるくらいの情報をサイト上で提供するのが理想ですね。例えば、駐車場や駐輪場の有無、あるとすればどんな感じなのか。子どもの通学環境はどうか。ひとつの方法として、通りに立った目の高さで周囲を360°見渡せるストリートビューも活用しています。
アンケートが掲載されていますね。
お客様本位のサービスをするには、ご利用いただいたた方のフィードバックが欠かせません。
アンケートの回答で共通するのは「丁寧」「強引さがなかった」でした。
やはり、一般的にはまだ、不動産業者は、強引というイメージがあるようです。率先してイメージを変えていきたいですね。
1丁目から7丁目まである
天神橋筋商店街。
年中コンスタントに賑わっている
お客様からの手書きのアンケートは、
説得力がある
店頭での対応で、気をつけていらっしゃることは?
主導権は、お客様にあることを常に意識することです。
例えば「今、決めないとなくなりますよ」という決まり文句で、強引にクロージングするのは、まるで、不動産会社の方に主導権があるようで違和感があります。
自分がいやだなと思ったことは、絶対にしないようにしています。
問い合わせの数は?成約につなげるための工夫を教えてください。
月平均13~15件です。「お客様の求める物件を探していますよ」と常に伝えていくため、定期的にメールをしています。最初は週1でしたが、ITサポーターさんによれば、週3回が常識で、多い人なら毎日送る方もいらっしゃるようです。また、成約後も必ずお礼メールをしています。このほか、メールアドレスを知っている方すべてに「天神祭の花火は8時からです」など、地域の情報を流すこともあります。お店の存在を頭の片隅にでもおいて欲しいですからね。データがあるので、半永久的にフォローすることができます。
@dreamの講習会などで情報を得ることがありますか?
いい事例発表などには、ヒントがたくさん。
使いこなしていないソフトの機能などがわかるし、とても参考になります。
懇親会にも参加しますが、商圏がかさならないので、同志として本音で語りあえるのがいいですね。
懇親会のときに誘われて、関西の不動産会社10社で美味しいものを紹介する「うまいもんブログ」運営しています。
リラックスできる店内。
世間話をしに立ち寄る方もいらっしゃるとか
関西の不動屋がオススメするうまいもんブログ
味にうるさい不動産屋がすすめる
地元の「うまいもん」が満載
これから@dreamを導入される方に、一番の魅力を教えてください。
作業時間が紙媒体の10分の1に短縮できるので、人件費が節約できます。また、情報量はいくらでも増やせますし、増えても紙媒体のようにかさばらず、すぐ取り出せ有効に活用できます。工夫次第では質の高い情報提供も可能です。さらに、メール機能と連動して情報が送れることは、合理的なだけでなく、お客様にとっては不要なら削除すればいいので、手紙や電話より、心の負担が軽くて済みます。それに、アフターフォローも充実しています。導入時に多少お金がかかっても、トータルにみて、費用対効果はかなりいいと実感しています。
紙媒体は不要になるのでしょうか?
メインではなくなったとしても、まだまだ必要でしょうね。@dreamなら、わずかな時間で最新情報を掲載した、物件のチラシが5分でできます。これを貼り替えさえすれば、店頭でも、新着や更新物件をタイムリーに紹介できるんです。
パソコンが苦手でという人は導入をためらわれますが。
技術について、最初は慣れないかもしれませんが心配ありません。@dreamを導入すれば、2日間、操作の基礎をみっちりと学べるIREA(Internet Real Estate Academy)の初級編を有料で受けられます。その後も、ITサポーターさんがいつでも相談にのってくれるので安心です。
導入したけれど、うまく使いこなせずにいる人へのアドバイスをお願いします。
「ノウハウを学ばなければならない」と考えるのでなく、まず、「ホームページで何をしたいのか」をイメージすることが先決だと思います。そして、そのためには、どうすればいいのか。まずは、ITサポーターさんに相談したらいいんです。@dream なら、やりたいことが、ほぼ完璧にできるんじゃないですか。
どんな店舗をめざしていますか?
この周辺には、不動産会社がたくさんあります。テレビCMでおなじみのフランチャイズ店舗から、先祖代々この土地で不動産を営む店舗まで。前者は物件の量が多く、後者は地域密着度が高いという特長があります。当店は、それぞれのいいところを学んで、幅広い層のニーズに応えたいと思っています。
ホームページは、今後、どのようなところを工夫していきたいですか?
十分な情報を提供し初めてお客様に関心を持ってもらえるものだと思っていますので、エリアはそのままで、情報の質量ともに充実させていきます。さらに集客率の高いホームページをつくることができるように、目下、IREA中級編を受講中です。
近藤社長の誠実なお人柄と@dreamの卓越した機能性が結びついた、
理想的なサービスの展開を期待しています。今日はどうもありがとうございました。
会社名 | 有限会社 フラーリシュハウス |
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住所 | 〒530-0041 大阪市北区天神橋3丁目8-19(天神橋筋商店街内) |
TEL | 06-6357-9881 |
FAX | 06-6357-9881 |
お問合せ先 | info@fhc.co.jp |
公式サイト | http://www.fhc.co.jp/ |
インタビューを終えて
「友だちに物件を探してあげるような気持ちで」とおっしゃったのがとても印象に残りました。
近藤社長なら、お客様目線で考えた新しい不動産サービスを生み出していかれると思います。
(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )