製品導入事例/バックナンバー
第46回は滋賀県守山市にある「eせいゆう住宅」さんです。
守山は、JR新快速が停まるアクセスのよい駅を中心に、大阪、京都のベッドタウンとしても近年人口が増えてきています。
ここ守山が地元である西田様は、勤務していた不動産会社を引き継ぎ、25歳の若さで独立。
会社設立当初からインターネットでの営業に力を入れ、ここ数年はメール活用についても見直されて、昨年の@dreamDAYで見事Bestメール活用賞を受賞されました。
設立からこれまで、どのようにネットを活用されてきたのか、また今後の目標についても、お話をうかがってきました。
eせいゆう住宅 西田様
公式サイト | http://www.e-seiyu.jp |
---|---|
所在地 |
JR琵琶湖線守山駅より 車で7分 地図はこちら |
取材日 | 2010年1月27日 |
映画をよく見ます。特に泣ける邦画が大好きで、レンタルビデオショップの「邦画・ドラマ」コーナーのものは、すべて見尽くしたのではないかというほど。米倉涼子さんや天海祐希さんのサバサバした演技には、つい見入ってしまいますね。
18歳から実家を出て暮らしているので、掃除、洗濯、料理をしています。たまに、実家に田んぼや畑があるので、田植えや畑仕事を手伝ったりもしています。畑では、祖母が白菜や大根を育てていて、できたらみんなで食べるんです。守山のこの辺りは田畑も多く、本当にのどかなところですよ。
やっぱり琵琶湖です。湖岸から見る夕日はめっちゃ綺麗なんですよね。中学生の頃から、バーベキューをしに行ったり、のんびり景色を眺めたりと、長年お世話になっています。仕事中も、気分転換を兼ねて、わざわざ湖岸道路沿いを走ったりもしています。
会社設立当初は、どのような形で営業されていたのでしょうか?
不動産仲介業の仕事は、お客様がいらして、ご成約頂き、そこから仲介手数料を頂戴するという流れですよね。ですから、新規のお客様をいかに獲得できるかが鍵なんです。そのための手段として、独立した当初は、広告を打つのが一般的でした。でも実際、私は広告を打てるような莫大な資金を持っていなかったんです。だから初めから「ネットしかない!」という頭でしたね。
では、ホームページはすぐに開設されたのですか?
独学で作りました。物件も掲載していましたが、箇条書きで図面も載せていない形でしたね。会員登録機能もなく、問い合わせも週1件くらいしかなくて。試行錯誤しながら2回、3回とホームページを潰していく中で、どうしても何百件とある図面や写真の管理を一人でするのは無理だと気づいたんです。だけど、スタッフの人数を増やしたり、広告を打ったりするのではなく、ホームページ一本でいきたいと。「じゃあ何が必要か?」と考えたときに、ソフトを導入するしかないと思いました。実際、色々と他社のソフトを試したこともあったのですが、どうも納得できなくて。そこで出会ったのが@dreamでした。
他のソフトを試された上で、@dream導入を決意されたきっかけは何でしたか?
キヤノンさんからのダイレクトメールで@dreamを知って興味を持ちました。画像や図面が管理できる上に、ボタン一つでアップできることに魅力を感じましたね。もう一つの決め手は追客メール。一人ひとりのお客様とのメール履歴もちゃんと残りますし、お客様の希望にマッチングした物件資料まで添付して送れるという機能は、当時、私の知る限りでは@dreamだけでした。
ゆったりとした空間が印象的な
JR守山駅ロータリー
バリ雑貨に迎えられるエントランス
@dreamの導入はスムーズにいきましたか?
実は、導入後すぐにトラブルになってしまったんです。安易な気持ちで「まだホームページは試作段階のものやからいいかな」と、広告不可の物件を掲載してしまって。不動産協会に呼び出されて注意を受けたんですが、そのときに考え方の違いで色々と揉めました。eせいゆう住宅では、手数料割引をやっていますが、昔からこの業界で仕事をされている方には受け入れてもらえなかったり。@dreamに関しても、IDとパスワードの概念を理解して頂けなかったりして。
当時はインターネットそのものが、まだ新しかったのかもしれませんね。
ホームページにもまだそれほど親しみがない時代でしたね。でも、おかげで何が良くて何が悪いのか、ネットのことに関して深く考えさせられるいい機会になりました。ネット環境で言うと、今もまだ滋賀県では浸透し切っていない部分があるんです。若い世代や都心部では、当たり前にネットを使う社会だと思うんですが。
では、@dream導入後も100%ネットにシフトしたわけではないのですね?
割合で言うと、ネットとアナログとで半々くらいでしょうか。お客様によって、パソコンの使い方は様々なんです。見ることはできても、連絡は取れないとか。こちらからメールで資料は送るけれど、お返事は電話でとか。メールと電話とFAXと郵送。連絡手段はお客様に選んで頂けるようにしていますが、本当にまちまちです。
@dream導入後のアクセス数の変化はどうでしたか?
今でこそアクセス数は、1日平均80~100、問い合わせも週10件前後頂きますが、初めの3ヶ月はまったく問い合わせがありませんでした。独自で作ったホームページから@dreamに変えたとき、URLもサーバーも一新したことも理由の一つですが。その後、週に1件会員登録があり、徐々に、2件、3件と増えてはいきました。でも、メールの返信率が悪くて、なかなか成約には結びつきませんでした。
メールの返信率が悪いことに関しては、どのように思っていらっしゃいましたか?
「自分の接客は、お客様が不動産屋に行って受けている店舗での接客に、絶対負けてるんやろうなぁ」と思っていました。メールも接客の一つですからね。ずっとモヤモヤしてはいたんですが「一応メールは送ってるし」と、自己満足でなんとなく続けていました。とことん突き詰めていく姿勢が足りなかったと、今になっては反省しています。
メールに力を入れるきっかけは、何かあったのですか?
一昨年、初めて@dreamDAYに行って、メール活用賞を受賞されたみつばちハウジングさんの話を聞いたんです。そこで「こんな熱い想いを持って、メール追客をしておられるのに、私は絶対このままじゃあかん!」って気づかされました。
みつばちハウジングさんのお話の中で、何が一番響きましたか?
とにかく色々チャレンジしておられるんですよ。お客様から返信がもらえたメールともらえなかったメールを分析して、駄目なものは文面を変えて、やり方を変えてと。「そこまでやらなあかんねんなぁ!」と内心焦ったというか、驚いたというか。同じ文面をどれだけ送っても駄目なものは駄目ですし、いいやり方を見つけて、自分に染み付くまでしないといけないなぁと。
そのためには、やはり繰り返すことが大切でしょうか?
一括メールや簡単な返信を除くと、お客様とメールのやり取りは1日5、6件でしょうか。その一通一通に返信の文面を考えるだけでも、すごく時間がかかるんです。速度でストレスを感じてしまうと、多く返せないですし。「いい文面はコレ!」と、いくつかのフレーズをある程度自分の中での決め事にして、繰り返し使うと文章も生まれやすいです。
メール活用を見直されることになった当初、文面はどのように変えられたんですか?
自社で使っているメールの雛形をITサポーターさんに添削してもらいました。初めは、誤字脱字や改行位置のチェックなどの基本的なところから。徐々に、言葉の選び方や言い回しも細かく見てもらうようになりました。例えば、「お客様によってご要望は違いますし、物件紹介をさせて頂く私が、ご要望を把握することが大事だと思います」という文面は押し付けがましい感じがすると、「お客様にはそれぞれご希望があるはずです。せっかくお問い合わせを頂いたのですから、お客様にご納得頂ける物件をご紹介できればと思っています」と直してもらいました。
お客様からの反応はどうでしたか?
返信率が徐々に上がってきましたね。「メールを見ました」という電話での反響も含めると40%強でしょうか。約3ヶ月間5日と開けずメールのやり取りをしてご契約頂いたお客様からは、「eせいゆうさんからのメールがなくて、インターネットもなかったら、一体どうやって土地や家を探せたんやろうか?」とのお言葉を頂きました。
便利なネットの環境と、細やかな接客の賜物ですね?
レスポンスの速さも大事なんですよね。メールを出して1分で返信が来たら、「パソコンに貼り付いてるの?」ってびっくりしますよね。「こんにちは」と言われたら、すぐ「こんにちは」と返せるような、そういうやり取りを意識するようにしました。なかでも携帯メールは重要視していて、お客様にもできる限り携帯メールアドレスのご登録をお願いしています。パソコンメールに比べて、携帯メールをされる方は多いですし、ダイレクトにお客様に繋がっていると思うので。
携帯メールの良さを感じられるのはどのようなときですか?
新規物件が出たら、件名に物件条件を入れた短いメールを携帯にお送りしているんです。あるお客様は、朝一私が送ったメールに、勤務先のパソコンから「仕事帰りに見に行きたいので場所を教えてください」と返信をくださいました。すぐさま地図を添付したご案内メールを送信したら、夜にご契約したいとの連絡が。夕方、他社が同じ物件資料を持ってご自宅を訪ねられたと後から知って、このときほど、携帯メールのありがたさを実感したことはなかったですね。
メールはどのくらいの頻度でチェックされていますか?
パソコンに入ってきたメールを携帯電話に転送して、リアルタイムでチェックしています。いつもA5サイズの小型パソコンも持ち歩いているので、出先からメールを返信していますね。資料の都合上、その日のうちに対応できない場合も、「明日改めてお送りします」というお返事だけでもすぐ送るようにしています。今、@dreamはスタンドアロン版を使っているのですが、もっとスムーズにやり取りができるよう、サーバー版の導入も検討しているところです。
メール以外の点で、ホームページで工夫されていることはありますか?
お客様が希望しているページにすぐ辿り着けるよう、ホームページの入口を色々な条件で分けています。守山、栗東、草津、野洲などと地域ごとに分けたり、建築条件なしの土地のページを設けたり。改善したい点もまだまだあるんです。「会員の入る場所が分かりにくい」とのお声もあるので、ログインするのにボタンを一つ作るだけでも変わるかなぁとか。スタッフの写真を載せることも、安心感を持ってもらうためには必要かと思っています。
理想とするホームページのイメージはありますか?
綺麗で見やすいページにはしたくないという思いがあるんです。「何か掘り出し物がありそう」とお客様に期待してもらいたいですから。どこかアナログな雰囲気が残っているような、人情味を感じるページにしたいですね。
イラストも多く分かりやすい
ホームページ
添削指導や専門書で
メール技術もアップ!
外出先でも便利な携帯電話と
小型パソコン
ホームページ以外で工夫されていることはありますか?
物件はすべて、ネット上だけでなく紙の資料も作ってファイリングしています。表には写真と間取り図を載せ、裏には地図を印刷してお客様にお渡ししているんです。土地の資料については、ハウスメーカーさんにも置かせて頂いて、1ヶ月に1回クリーニングに行っています。滋賀県では、一戸建の購入にハウスメーカーを訪れるお客様の約60%が土地なしだと聞いています。ですから「土地さえ決まれば・・・」と考えている営業マンとの繋がりは大切にしたいと思っているんです。
資料にはたくさん写真を載せていらっしゃいますね?
一つの物件に関して、5枚ずつ写真を撮るようにしているんです。土地や建物を知るのに、写真は重要ですよね。ハウスメーカーに資料を置かれている不動産屋さんは他にもいらっしゃいますが、写真を載せているところはないと思います。ホームページに関しても言えることですが、滋賀県では、まだここまでたくさんの写真を掲載しているところは少ないんです。他社と差別化するために、今後も力を入れていきたいです。
従業員3人で、約1000件ある物件の写真撮影は大変そうですが。
団地なども多いので、一括して撮れるところもありますがそれでも大変です。毎日、新しい物件が出たら、地図に付箋を貼り付けてメモしておくんです。付箋が溜まったら撮影に行って、撮り終えたところから付箋を別の紙に貼り付けていく。帰社したら、その貼り付けた付箋の順番に画像をアップロードしていきます。付箋を剥がす際に、地図に日付などを書き込んでおくと、後から便利です。今の地図はここ2年程使っていますが、「この辺りは、前にどんな物件がありましたか?」と聞かれたときに、答えられる材料になっていますね。
ネットも紙も、物件チラシには
写真がズラリ
独立当初から共に頑張ってきたスタッフ
@dreamの一番の魅力は何でしょうか?
従業員を一人雇ったような感覚、いや、それ以上のものがありますね。ホームページのアップの速さとメールの機能。ITサポーターさんの存在も大きいです。こういうソフトは、売りっぱなしにされることも多いと思うんですが、手取り足取りサポートしてくださるので感謝しています。
ITサポーターさんとはどのくらいの頻度で連絡されていますか?
最近は毎日連絡していますが、最低週1回はやり取りしようと決めています。最前線での情報を持っていらっしゃるので頼りにしています。メールの添削もしてくださるし、さぼっていると怒られるし。@dreamはいわば「先生付きのソフト」ですね。モチベーションを維持する役割も、担ってくださっていると思います。
@dreamDAYに参加されてからは、他のユーザーさんとの繋がりもできましたか?
そうですね。イベントや操作講習会でお会いしたり、普段はメールや電話でやり取りしています。先日、パソコンを買い換えたことをブログに書いたら「どんな基準で選んだんですか?」と、早速ユーザー仲間からメールがありました。本当に些細なことでも連絡し合っていますよ。
ユーザーさんは全国にいらっしゃいますよね。
離れていて競合しないからこそ、ぶっちゃけて話ができると思うんです。東京の激戦区にいらっしゃる方は、1ブロック歩けば@dreamを使っている競合店があるような環境ですよね。そんな最前線で仕事をされている方のお話を聞くと、差別化に対する考え方や工夫は大変勉強になりますし、色々な悩み相談にも乗って頂いて、刺激し合わせてもらっています。周りに熱い人がたくさんいらっしゃるので、自分も熱くなれますね。
これから導入される方へ、何かアドバイスはありますか?
まずはITサポーターさんにとことん相談するといいと思います。私は今、メールエキスパートクラスを受講していますが、操作講習会などにも出て、ユーザーさん同志の輪を広げたり、モチベーションを高めるのも大切ですね。他社さんのホームページを見れば、具体的な工夫点はいっぱいありますし。私も勉強させてもらっています。
現在は売買中心でされていますが、今後の事業展開についてはいかがでしょう?
いつになるかは分かりませんが、賃貸もできればベストだと思います。賃貸で繋がりのできたお客様が売買でリピートしてくださる、という流れが最大の目標です。ですが、うちは人数的にも2足のわらじを履くところまで今は辿り着けないので、まずは売買をもう少し極めたいと思います。
では、身近な目標では何か考えていらっしゃることはありますか?
昨年、2級建築士の資格を取りました。ビジネスの視点から考えると、必ずしもいい方向かどうかは分からないのですが、私個人の想いとして、やっぱり建築がやりたいんです。もちろんeせいゆう住宅は不動産仲介の会社として育てていくんですが、別会社という形になるでしょうか。建物に対する夢があるんです。
建築に対する思いは、以前、建設会社に勤務されていたこととも関係していますか?
建築を3年やって、職人さんたちのあったかさに触れました。喧嘩もするし泥臭い世界だけれど、棟上後はみんなでお酒を飲みに行ったり。一つのものを一緒に作り上げていく、そういう関係性が好きで忘れられないんだと思います。
ネットの活用という点からは、どのような将来像を描いていらっしゃいますか?
「のんびりしていられへんな」と、危機感を持っています。私は今30歳で、初めてPHSを持ったのが高校生のときでした。だけど、今では小学生から携帯を持っていて、その子ども達が家を買うような時代がもうすぐそこまで来ているんです。インターネットが使えない人なんていない状態で、きっとメール中心の生活で。だから10年後を考えると、他に勝てるところまで、ホームページやメールの知識を深めておかないと、と思っています。
その将来に向けて、今、具体的に取り組まれていることはありますか?
ホームページを作り直そうと考えた時に、独学での限界も感じ始めて学校に通うことも考えています。メールやWEBに関する本もよく買って読むようになりました。例えば、通常の手紙とメールでは、起承転結が少し違いますよね。そういうネットでは「当たり前」とされる最低限の常識が、独学ではどうしても抜けてしまうので、今のうちに押さえておきたいと思っています。
ネットを使っての営業は、変化がめまぐるしそうですね。
古い不動産屋の営業スタイルを残す傍らで、パソコンのことには日々追いついていくというイメージでしょうか。二つの融合が大切ですよね。インターネットは、きっと宝の山なのだろうと思うんですよ。今はまだ本当に始まったばかりで、これからどんどん進んでいくでしょうし、これ以上にすごいものが現れるかもしれないです。一人一台携帯を持つ時代ですから、携帯独自のホームページにも力を入れていきたいとも思っています。
「シンプルな建築が好き」
西田様コーディネートの店内
会社名 | 株式会社 eせいゆう住宅 |
---|---|
住所 | 〒524-0021 滋賀県守山市吉身三丁目16-1 |
TEL | 077-581-8020 |
FAX | 077-581-8021 |
お問合せ先 | info@e-seiyu.jp |
公式サイト | http://www.e-seiyu.jp |
インタビューを終えて
会社経営についても、ホームページ制作に関しても、「何もかもが独学でのスタートだった」とおっしゃる西田様。
自ら試行錯誤を繰り返し、進んで来られたからこそ、今のご活躍があるのだとひしひしと感じさせられました。
独立当初からネットを中心に営業展開され、最近ではメール活用にも精力的に取り組まれていらっしゃいます。
けれどお話から窺えたのは、計算された効率よいやり取りではなく、温もりある人と人との触れ合いでした。
きっと西田様ご自身が、本当にお客様のことを考え、建物に夢を持ってお仕事をされているからなのでしょう。
これからますます発展していくネットの世界。
「やりたいことがいっぱいあって大忙し」とおっしゃる中にも、チャレンジしていくことにワクワクされている様子が伝わってきました。
人口も増え、日々変化していく守山の街から、今後、不動産業界にどんな新しい風を吹かせてくださるでしょうか。楽しみです。
(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )