お客様の声

製品導入事例/バックナンバー

これまでの導入実績

第58回 オレンジホーム株式会社 社長 志堅原 様

第58回は、2010年@dream best物件情報賞を受賞された、沖縄県那覇市の「オレンジホーム株式会社」様です。

真冬の取材にもかかわらず、飛行機を降りると気温は18℃。半そで姿あり、ダウンジャケットを着込んだ観光客ありの、にぎやかな空港に接続したモノレールに乗り換えます。
2003年8月に開通した沖縄都市モノレール線「ゆいレール」は、沖縄県唯一の鉄道です。駅ごとに街にちなんだ絵柄のステンドグラスが飾られており、中でも那覇空港駅の壁面いっぱいに広がる絵巻は圧巻です。

  • オレンジホーム株式会社 社長 志堅原様と、 脇を固めるハウスアドバイザー・ 新垣さん(左)、宅建主任者・山城さん

公式サイト http://www.o-home.jp/
所在地 沖縄県都市モノレール安里駅より徒歩5分
地図はこちら
取材日 2011年1月22日

県外には、沖縄に憧れる人が多いですよね。

そうですね。一度遊びにこられたら、リピーターになって何度もいらっしゃるという方が多いですね。

リタイアしたら沖縄に移り住みたいという声もよく聞きます。

ええ。ただし、沖縄は家賃が安くないんですよ。東京など大都会と比べれば安いんでしょうが、そのほかの地方都市と比べるとかえって高いようです。こちらに来てからの仕事などについても、行動に移す前によく考えておかれることをおすすめします。

沖縄で仕事を探すのは難しいですか?

厳しい状況ですね。女性が出産で退職した後も、再び就職するのは大変です。沖縄では大手と呼ばれるような会社でも、産時休暇や育児休暇を取れないそうですよ。
でもうちの会社のパートさんには、出産後に本人が希望すれば復帰してもらっているんです。

それは素晴らしいですね。なかなかできない事ではないでしょうか。

うちの場合はデータ入力を中心とした業務形態で、欠員が出てもお互いにカバーしやすいためそれができるのだと思います。

街の雰囲気について ~歴史と伝統を留めながら、変化していく街~

  • モノレールが開通して、「鉄道が無い県」ではなくなりましたね。

    はい。本土では、家を探す時に「駅から何分」というのがポイントになりますよね。でも、沖縄ではそういう感覚が今まで無かったんですよ。そもそも駅が無かったし、バスもそれほど便利ではなかったですしね。

  • では、沖縄の方たちにとって家探しのポイントというと?

    那覇市は、那覇、真和志、首里、小禄という4つの地域が一つになって出来たのですが、自分が住みたい地域を目安にして探しますね。転勤などで本土から転居して来られる方は、「国際通りの近く」を希望されることが多いようです。
    モノレールが開通して7年経ち、最近少しずつ「駅前で探している」という問い合わせが増えてきました。

  • このお店があるのは、どの地域ですか?

    この辺りは那覇の壷屋という地区です。琉球の焼物の発祥地と言われているんですよ。今も窯元がたくさん店を出していて、沖縄独特の焼物を売っています。
    地元にいるとあまり意識することがないのですが、これが目当ての観光客も多いようですね。

  • モノレール(通称・ゆいレール)那覇空港駅

  • 「ゆいレール」ができて全国の鉄道マニアも やってくるようになった

  • 窯元の店には、沖縄の風情豊かな焼物が並ぶ

お店について ~初めて来店するときにはすでに“顧客”~

  • お店にはパソコンがたくさん並んでいますね。

    ホームページにとにかくたくさんのデータを揃えたいという気持ちで、スタッフ全員でデータを入力するんです。
    うちのホームページに載せているデータは、スタッフが全て自分の目で現地を確かめているんですよ。おかげで近頃はスタッフもみんな目が肥えてきて、「社長、この物件はいいですねぇ~」とか、「ここがもう少し、こうなっていれば…」などという話をします。

  • 全ての物件をですか?

    はい。写真も間取り図も、全て当社で撮って、作成したオリジナルです。もちろん、当社が扱う時点で最初から間取り図がある物件が多いのですが、それをそのまま載せると、お客様から「実際と違う」というクレームが結構あるんですよ。最初に図面を引いてから、リフォームなどで間取りが変わっているのに修正されないままになっていることも少なくありません。
    そこで、現在の間取りを実際に見て確認し、図面に書き起こすことにしたのです。こうするようになって、クレームがめっきり減りました。

  • 写真にも工夫を凝らしていらっしゃるようですね。

    写真は、お客様が一番分かりやすい角度で撮影することにしています。
    普通は床から30cm~60cmの高さで部屋全体を撮影する程度なのですが、うちのホームページに載せるのは、水道・ガスなどの設備、エントランス、それから必要に応じて物件周辺の街の写真も撮影します。
    お客様からは「ホームページが見やすい」「写真がたくさんあって良い」という声を多くいただきます。

  • ホームページに総力を注いでいるのですね。

    店舗が奥まった路地に面していて目立ちませんから、ホームページこそ最大の集客手段です。データ数が増えれば増えるほどアクセス数が伸び、メールでの問い合わせも多く寄せられます。
    返信メールへの対応も、スタッフ全員で当たります。内容にも気配りが欠かせません。
    例えば、駅からの距離を尋ねられたらそれにお答えするだけでなく、買い物に便利な最寄りのスーパーについてなど、お客様と同じ目線に立ってもう一歩踏み込んだお返事をするようにしています。
    そんなメールのやりとりを繰り返し、お客様とスタッフの信頼関係ができあがった上でご来店いただくので、初来店の時にはすっかりお得意様となっていることが多いんです。

  • ホームページが店舗、という感覚でしょうか。

    そうです。こんなに人通りの少ない所で営業しているにも関わらず、集客が伸びているのはホームページのおかげですね。お客様とのメールのやりとりは、私よりスタッフの方が上手なくらいなんですよ。メールで気持ちを伝えるというのは難しいですね。

  • スタッフがきびきびと仕事をする店内

  • 沖縄の不動産業界では先駆けともいえる、 顧客を呼び込むホームページ

  • 創業当時から設置されているカウンターは、 当時のスタッフの手作り

お客様について ~「一時間だって待つ」と言ってくださるお客様~

  • メールでお客様の信頼を得るのは、簡単なことではありませんよね。

    お客様へのメールは、一部を除きほとんどが一通ごとに手打ちです。定型通りのメールが届くことほど、味気ないものはありませんからね。どれだけお客様の目線でメールを打てるかということなのでしょう。

  • お客様がお店にいらっしゃる時は、お目当ての物件が決まっている状態ですか?

    そうですね。メールのやり取りの中で担当者を信頼していただいているので、来店される時には気持ちを固めていらっしゃることが多いです。
    以前、あるお客様がお見えになった時、担当者が他のお客様の内覧に同行していて、時間が予定よりずいぶん伸びていたことがありました。
    あまりお待たせするのも申し訳ないと思い、他の会社さんから紹介を受けていただくようお声掛けしました。同じ物件を、複数の不動産会社が紹介するのはよくあることですから。
    ところが「あの営業さんが戻るのを待つ」とおっしゃるんです。
    結局そのお客様は、1時間も店で担当者の帰りをお待ちくださった、ということがありました。

  • 一時間待ってでも担当者を変えたくない、ということなんですね。

    「同じ物件を借りるなら、良い会社から借りたい。この会社の担当者が、今までの中で一番良かった」と言っていただいた時は嬉しかったですね。

  • どんどん顧客が増えていけば、お店も賑やかな所に引っ越す日がくるかもしれませんね。

    うーん…どうでしょう。賑やかな街なかに出店したり、店舗を大きくしたりすることに経費や労力をかけるよりも、今のやり方で更にホームページを充実させることに力を注ぐ方が、うちのやり方に合っている気がします。

  • 静かな店の前に、時折やって来る リュウキュウキジバト。 店のマスコットとなっている

@dream導入のきっかけ ~データ管理の一元化が最大の魅力〜

  • ホームページの必要性を感じられたのはいつごろですか?

    必要性は最初から感じていました。実際にホームページの制作に取り掛かったのは、会社を立ち上げて半年目くらいからです。
    でも、顧客データ、物件データ、写真、図面など、膨大な量のデータと、そのファイルの管理がとにかく大変で。ホームページに載せる情報を充実させたいと思っても、なかなか思うように行かずに苦心していたんです。

  • そんなときに@dreamを知った、という訳ですね

    はい。よその会社さんのホームページに使われているのを見て、これだ!と思ったんです。
    本格的に導入したのは平成20年の7月からですから、この夏で3年になりますね。

  • @dreamを使ってみていかがでしたか?

    なにより、データ管理を一元化できたのが最大のメリットですね。@dream一つで、全てのデータを思い通りに扱えるんですから、本当に嬉しかったです。
    それまで煩雑だったホームページの更新が簡単になって、その分、物件の写真を撮りに行ったり、図面を揃える時間を増やせました。

@dream導入後の変化 ~ITサポータの読みが外れるほどの急展開〜

  • @dreamを導入してから、何か変化はありましたか?

    もちろんありました。
    導入当初、ITサポータさんからは「月間の内覧数が100件を越えるまで2年」と言われました。実はそこが、導入を決める上でのネックでもあったんです。2年もかかったのでは遅すぎる、というのがうちの実情でした。
    そこで、もっと早く内覧数を伸ばすにはどうすればいいか考えた結果、やはり「情報量を多くしよう」ということになりました。

  • 今の取り組みにつながりますね。

    結局、それに尽きるんですよね。そこからはスタッフ一丸となりました。新規物件については、毎朝全員で確認し合って情報を共有し、暇さえあればデータ入力するという日々が始まりました。

  • 内覧数の伸びはどうでしたか?

    ITサポータさんの予想を覆して、1年足らずで「月間内覧数100件」を達成しました。
    物件データは、一度入力したらおしまいではありません。借り手が付かない物件は大家さんが家賃を下げているかもしれない…など、いつもスタッフ全員でアンテナを張り巡らせて、新しい情報に更新していくことが大事なんですね。物件に足を運んで情報収集する中で、時にはその物件を直接管理している会社よりも早く情報をつかむこともあります。

これからのネットと不動産について ~ネット時代の不動産会社の営業活動~

  • ホームページをフル活用すると、「営業」が変わっていくようですね?

    従来、不動産会社の営業というと、情報誌に載せたりチラシをまいたりして、次々と電話をかける…というものでした。
    しかし今は、家を借りたい人はまずインターネットで検索をします。大量の情報が集まったホームページがあれば、お客様の方から連絡をくださいます。
    不動産会社の営業活動は、「雑誌と電話」から「ネットとメール」へと移り変わっているといえるでしょう。

  • その分、スピードも求められるのではないでしょうか。

    そうですね。何らかの接触があったお客様へは、即メールを差し上げるようにしています。メールでの丁寧な接客が功を奏して、他社の物件を是非うちから紹介してもらいたいと依頼されることもあります。

  • その点、沖縄県ではオレンジホーム様が抜きん出ているといえますね。

    確かに、ホームページをこのように活用する不動産業者は、県内ではうちが初めてに近いと思います。しかし他社も次々と始めていますので安心はしていられません。
    今以上に多くの情報を、素早くアップするという課題が常にあります。

これから目指すビジョン ~変わりゆく那覇市の住宅事情〜

  • これからの展開について、よかったら教えてください。

    この業界に20年いますが、以前は少なかったアパートが増えてきました。またここ数年、本土からの業者によってマンションが建てられるようになり、賃貸住宅へのニーズが変化してきたように感じます。

  • ニーズの変化といいますと?

    沖縄にはもともと湯船に浸かる習慣がなく、シャワーしかなかったり、湯船があってもトイレと一緒になったユニットバスがほとんどでした。しかし、本土様式の風呂とトイレが別になっているマンションができると、そういった部屋を探す人が増えました。
    また、以前は玄関を開けるといきなり居室という間取りが当たり前でした。しかし今はそのような部屋は人気がありません。
    昔ながらの間取りの部屋は余っているのに、本土と同じ間取りの部屋を望む人は増えています。住宅の需要と供給のバランスが取れていない状態といえるでしょう。
    その中で勝ち抜くにも、やはりホームページの素早い更新が必要です。今後は当社のホームページを、那覇市内の全ての物件を網羅するものに育てるつもりです。

  • 家の守り神シーサーがいたるところで街を 見守っている

会社名 オレンジホーム株式会社
住所 〒902-0065
沖縄県那覇市壷屋2-15-9
TEL 098-832-5400
FAX 098-832-2400
お問合せ先 rent-d@o-home.jp
公式サイト http://www.o-home.jp/

インタビューを終えて

終始なごやかな雰囲気でお話を伺えたのは、志堅原社長をはじめとするスタッフみなさんのお人柄のおかげでしょう。
全スタッフあげてデータを入力するのは、たいへん労力のいる仕事のはずですが、お店にギスギスとした雰囲気は全くありませんでした。「ホームページこそ店舗」と思い定め、一丸となってホームページを育てているという印象を受けました。お客様が、スタッフに惚れ込むようにして来店されるのも、そのあたりに理由がありそうです。
記者が仕事だけでせっかくの沖縄をとんぼ返りすると知り、せめてもの観光をと社長自ら壺屋焼物博物館までご案内くださったり、翌日にはわざわざ手書きのお礼状を送ってくださったりと、心に残る沖縄取材となりました。

(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )