製品導入事例/バックナンバー
第63回は、2007年@dream best特別賞を受賞された、大分県大分市の「大分シティネット不動産」様です。
大分市随一の大通り「昭和通り」から少し南へ入ると広がる、人々の生活感息づく街並み。その一角、大分で一番古いといわれる長濱神社の真正面に「大分シティネット不動産」様はあります。
大分シティネット不動産
代表 工藤美香 様
公式サイト | http://www.oitacitynet.com/ |
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所在地 |
JR九州日豊本線 大分駅より 徒歩15分 地図はこちら |
取材日 | 2011年6月11日 |
はい。現在は私ともう一人、女性二人で仕事をしています。何度かスタッフが入れ替わりましたが、そのたびに女性にお願いしてきました。今のスタッフはたまたま「お母さん」ではないのですが、今までは子育て中の方が多かったように思います。
私自身が子育て中の女性であり、一緒に仕事をしやすそうな人という視点で見ると、自然と女性、それも子育て中の方に決まることが多かったと思います。
私の子どもたちがまだ小さいころは、お母さんとして先輩になるスタッフから子育ての情報を得たり、お互い子どもの病気や学校行事では都合を付け合ったりしてきました。
求人に応募される方、皆さんそうおっしゃいます。新聞記事などでは、女性が働くことに対して社会の理解がずいぶん進んでいるように感じますが、実際はまだまだ厳しい状況が続いているようですね。
ええ。お互いの分担をきっちり分けるというよりも、営業から雑務までほぼ全ての仕事をシェアし合うよう心がけています。
目の前の長濱神社は、大分では有名なのですか?
ええ。お客様に店の場所をご案内するときには、いい目印になります。
毎年7月5日、6日、7日の三日間、大分で一番最初に夏祭りをするのがこの神社なんですよ。お祭りの時、この辺りは夕方5時以降は歩行者天国になって賑わいます。車が入れなくなり仕事にならないので、毎年時間になったら、お店は潔く閉めてお祭りを楽しんでいます。
街の中に緑が多いですね。
ええ。通りに沿って続く「遊歩公園」や、府内城址を整備した「大分城址公園」には、いつも大勢の人が訪れています。
すぐそばには、車の多い大通りがありますね。
はい。この辺りは大分市の中心部です。企業の支店が多いのですが、最近は景気の影響もあってか少しずつ減ってきています。街らしい賑わいが続いて欲しいものですが……。
支店ということは、他県から転入される方が多いのですか?
そうですね。ファミリー向けに、郊外に物件を探されることも多いです。交通網の事情でほとんどの方が車で移動されるので、家賃や駐車場代が高い中心部ではなく、郊外に車庫付きの家を借りた方が良いと思われるのでしょうね。
年輪を刻む大木に囲まれた長濱神社の鳥居
お堀と石垣に歴史を感じる大分城址公園
大分市の目抜き通り「昭和通り」
不動産屋さんの女性社長は、まだ珍しくないですか?
そうかもしれませんね。
もともと、夫の父が経営している不動産会社を手伝っていたんです。そのうちに、売買物件は主に父が、賃貸物件は私が受け持つようになり、平成16年に賃貸部門を別会社として立ち上げることになりました。それが、「大分シティネット不動産」のスタートです。
女性スタッフだけで、不安なことはありませんか?
たしかに、中には対応に苦慮するお客様がいらっしゃらないわけではありません。しかしそんな時には、父が頼りになります。
またどちらかというと、借主様もオーナー様もこちらが女性であることで警戒心を持たずに接してくださる事が多い気がします。
少数精鋭、女性ならではのきめ細かい対応を 心がけている
どのようなお客様が多いのでしょうか。
法人契約から個人の月極駐車場まで、幅広いお客様とお付き合いがあります。
法人契約というと、転勤してこられる方のための物件ですか?
ええ。特にこの近辺でお探しになるのは、単身赴任の方のお住まいが多いですね。一度お世話させていただくと安心してくださるのか、次からは他の不動産会社をあたることなく、直接うちに探して欲しいとおっしゃる法人のお得意様が何社もあります。
個人のお客様はどうですか
ホームページからの問い合わせがどんどん増えています。特に今年は目を見張るものがありますね。
お客様からのご要望を伺ったら自分の立場に置き換え、スタッフ同士で話し合って、お気持ちを少しでも理解するように努力しています。
その昔、大分は日本の西洋医学・西洋音楽の発祥地だったという
自社のホームページを作ろうと思われたのはいつごろですか?
4年程前です。当時、ホームページ制作会社の方が営業に見えることがとても多く、皆さんそろって「ホームページは24時間営業してくれますよ」とおっしゃるんです。その言葉にひかれて、ぜったい作ろうと思うようになりました。
熱心に勧誘してくるホームページ制作会社が、たくさんあったんですね。
はい。話は興味深く聞かせていただきました。
そんな中で@dreamを使おうと決められたのはなぜですか?
たくさんの同業者のホームページの中で、@dreamを使っているお店のものは魅力的でした。
せっかく作るなら検索してすぐにヒットするホームページでなければ意味がないし、後々物足りなさを感じたくなかったのです。そこで、かなり高額ではありましたが@dreamを導入することに決めました。
@dreamを使ってみていかがでしたか?
トップページが自由に変えられることと、検索条件別のページが簡単に作れることが嬉しいですね。
最初は、導入時にいただく基本のページを元に、どうやってオリジナリティーを出そうかと一生懸命でした。全くの初心者でしたが、約4ヵ月かけて自分の納得のいくものを作りました。
物件を様々なカテゴリーに分けて紹介されていますね。 「ワンちゃんOK」と「猫ちゃんOK」までが分けてあるのには驚きました。
実は「犬は飼ってもいいが猫はダメ」とか、その逆とかいう物件は少なくないんです。このバナーを見てお問い合わせくださる方の中には、よそで見つけた「ペットOK物件」で、「猫はお断り」と何件も断られたという方が少なくありません。
他にも、お部屋を借りたいと思っていらっしゃる方がどんな条件を求めているか、よく考えてカテゴリーを作っています。
お客様の目線に立ったカテゴリー分けなのですね。
はい。それが、結果的にホームページへのアクセスにつながるのではないでしょうか。
この辺りは会社が集まる中心地なので、駐車場を探すお客様は多いんですよ。そこで、ホームページの目立つところに駐車場情報を集めたページのバナーを貼っています。駐車場の仲介では利益があまり出ないのですが、アクセスは確実にアップしています。
物件のカテゴリー分けを工夫し、 アクセスアップに務めている
ホームページを開設して4年になるわけですが、それ以前との変化は感じられますか?
昨年から、ホームページからお問い合わせいただくことが圧倒的に多くなりました。特に今年になってからは約8割がホームページからです。
電話でも「物件番号○番の…」と、ホームページをご覧になりながらのお問い合わせがほとんどですね。
また、オーナー様とのやりとりもスムーズになりました。ホームページ開設前から、月に一度はオーナー様に空室確認をすることでコミュニケーションをとってきましたが、@dreamを使うようになってからは業者マスタを利用してさらにマメに空室情報を確認しています。
物件情報も集めやすくなったというわけですね。
はい。最近は、オーナー様の方から「もうすぐこの部屋が空くよ」とご連絡をいただくことも増えました。
アクセスがアップし、実際に問い合わせも増えて、まさに「24時間営業」という当初の思惑どおりですね。
はい。だからこその課題もあります。 当社は大人数ではないので、入力のための時間をいかに捻出するかという問題が常にあります。せっかくのお問い合せに、該当物件をうまくマッチングできなければ意味がありません。顧客マスタ、マッチング機能をもっと使いこなす必要性を感じています。
普段の接客などで、大事にしていらっしゃることはなんでしょう。
物件をご覧いただくときには、必要とあれば近所の買い物事情や学校のことについて、主婦目線でアドバイスさせていただきます。また、ご紹介して入居いただいているお客様へは、毎年ほぼ全員に年賀状を差し上げています。退去される時には「毎年ありがとうございました」と声をかけて下さることが多いですね。
オーナー様へは、数に限りはあるものの、年末にカレンダーを手渡しで差し上げています。
どちらも大切なお客様ですから、年に一度は感謝を込めてご挨拶させていただきます。
貸してしまったらおしまい、ではないのですね。
はい。オーナー様の多くは自分の親世代、祖父母世代。足しげく通ううちに可愛がっていただき、畑でとれたタマネギや、庭になっていた梅の実などをお店に届けてくださる方もいらっしゃるんですよ。
不動産会社と顧客というだけでない、人間関係を感じます。
そうですね。おかげさまで、家賃や敷金について気軽にご相談いただくようになりました。こちらからのご提案も、気持ちよく受け入れて下さるオーナー様が増えました。
店には長濱神社の夏祭りの 縁起物「おみか餅」が飾られている
ホームページからの問い合わせがほとんどということですが、何か特徴はありますか?
近頃感じるのは、お客様からのご要望が非常に事細かになっていることです。ネットなど豊富な情報をもとに、一つひとつの条件にこだわりを持っていらっしゃいますね。
中には、お応えするのが困難な場合もあるのが実情です。
解決策はあるでしょうか。
お客様から満足していいただけるマッチングに結びつけるためには、情報の絶対量が必要ですね。先日参加した@dreamの勉強会で、取り扱うエリアを半径2kmに絞って、情報を充実させている会社さんの話を聞いて、なるほどと思いました。
当社に置き換えるなら、半径はどの程度が妥当なのか。また、どのエリアに絞るのがいいのか。これからの課題といえそうです。
名だたる彫刻家の作品群を間近に見られる 遊歩公園
会社名 | 大分シティネット不動産 |
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住所 | 〒870-0023 大分県大分市長浜町1丁目6番14号 |
TEL | 097-538-1113 |
FAX | 097-538-1006 |
お問合せ先 | info@oitacitynet.com |
公式サイト | http://www.oitacitynet.com/ |
インタビューを終えて
終始にこやかな笑顔を絶やさない、代表の工藤様。こちらからの質問に向ける、真摯な眼差しが印象的でした。
「店に入るとき、どうしても正面の神社にお尻を向けてしまうので、毎朝『ごめんなさい』と拝んでから仕事を始めるんですよ」とクスッと笑う様子に、ご年配のオーナー様に可愛がられる理由が分かった気がします。
主婦と会社代表という「二足のわらじ」を履きこなすバランス感覚が、お部屋を探すお客様、オーナー様、そしてお店のスタッフと、みんなの満足につながっているのでしょう。
「@dreamをもっと使いこなしたい」という熱意に、これからのご発展を予感させられました。
(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )