製品導入事例/バックナンバー
第99回は、東京都八王子市の「株式会社八昇プランニング」様です。
学生の街である八王子市内を商圏とする地場の不動産店として、長年多くのお客様の信頼を得続けています。小川誠社長とゆかり様ご夫婦、精鋭スタッフの3人による息の合ったチームワークの親身なサービスが評判。まるで家族に接するようなあたたかな対応がお客様の心をつかみ、ビジネスを超えた、末永いお付き合いとなることもしばしば。
@dreamの導入を機に、お客様へのきめ細かい情報発信をより徹底化させ、顔の見える不動産店として、ますますファンを増やされています。
今回、小川社長ご夫婦に、ホームページ作成の試行錯誤から、お客様との出会いまで、その「不動産道」をたっぷりうかがいました。
左から、奥様の小川ゆかり様、
社長の小川誠様スタッフの小嶋理様。
緊密なチーム体制で、お客様へ
親身な対応をされている
会社の成り立ちを教えてください。
小川社長
1976年4月、地元の信用金庫に勤めていた父が退職して設立しました。私が宅建の資格を得て、この会社を引き継いだのは、ちょうどバブル絶頂期の頃です。不動産業界では地上げをして儲けようという時代でしたので、多くの同業者から手を組もうと誘われましたが全てお断りしました。私のしょうに合うことではなく、お客さんとじっくり一つのことをやっていくことが好きなので。土地を仕入れ、バブルがはじけて失敗したということもいっさいありません。だから、今があるのだと思っています。
数年前からは、不動産一本で営業し、2010年4月に@dreamを導入しました。
商圏は、八王子市内に限られていますね。
小川社長
そうです。高尾駅、西八王子駅、八王子駅、それと京王高尾線沿線の広い範囲になります。このエリアは、大学の郊外にあたり、学生さんの住まいが分散しているところです。八王子市内には、21校の大学があり、設立当初から学生さんをメインに営業をしています。かつては、大学と地元の不動産会社が提携して学生を紹介するといった事業にも参加していました。今も12月から3月の繁忙期は、新入生の対応が多くなります。
学生さんには、いつもどのように接しておられますか?
小川社長
18歳、19歳の学生さんが親御様と一緒に、知らない街の私どもの不動産店に、不安な気持ちを一杯にして来られるわけです。こちらとしては、少しでも良い住まいに落ち着いてほしいと精いっぱいお手伝いをしたいと思っています。いつも車で街を案内させていただいて、「商店街はこちらです」「こういう所でバイトできますよ」などと説明いたします。
現在では、繁忙期以外の期間は、ファミリータイプのお部屋の紹介も強化しています。
今年は多少景気が上向いて、企業が人材を入れたのか新入社員の方が多くなっていますね。
JR中央線「八王子」駅北口。
建物はCELEO北館でもある。
周囲は中心市街地で東急スクエアなどの
大型店舗や商店街でにぎわう
現在、御社が力を入れられていることは?
奥様
インターネットを使っての集客です。ホームページをたくさんの人に見てもらえるように、日々、工夫を重ねるようにしています。お問い合わせいただいたお客様には、スピーディーに多くの物件情報、賃貸・地域情報を提供することで、他社と差別化を図るよう努力しています。
そのために、@dreamを軸として、社長と私とスタッフの小嶋3人体制だからこそできる結束したチーム体制で、丁寧に親身になって対応しています。
例えば、来店されたお客様には、接客、物件探し、内見と3人体制で対応します。お客様の情報は3人で共有し、物件探しの状況が分かるようにしています。
以前は飛び込みのお客様に慌ててしまうこともありましたが、今ではその方が必要とする情報を即座に提供できるようになりました。
成果も上がってきているとうかがっています。
奥様
2013年度は、@dreamに登録した顧客数が前年度より64%アップしました。また、自社で成約まで至った顧客も前年度に比べて43%アップ。内容としては、@dreamからお問い合わせされたお客様の人数が伸び、成約をいただいたという結果でした。この年には、お問い合わせのアクセスがどこから入ってきたのかも細かく記録しています。
今年2014年度の目標としては、ポータルサイトから来ていただいたお客様にも信頼してもらえる不動産屋さんになることです。
八王子駅前北口を出ると、商店街や
遊歩道が交錯している。手頃な価格で
グルメが楽しめる学生に優しいエリア
@dream導入までの経緯を教えてください。
小川社長
2005年頃に不動産業を中心に営業展開を行うようになりました。順調だったのですが、2009年頃になると管理物件が古くなって空き室が増え、満室にするためには仲介業者に広告料を払うなどで、物件管理収入が減ってしまいました。
弊社は八王子駅徒歩8分で立地が良くありません。そこで、ちょうどその頃、普及していたインターネットを使って集客することにしました。
当初は不動産会社大手A社の検索エンジンを借りてホームページをアップしました。しかし、お客様が弊社のホームページにアクセスしてもA社のページとして閲覧がカウントされて、上位に上がってきません。そこでSEO会社を使うことにしました。2009年の繁忙期に入る前の10月に「八王子 賃貸」のキーワードで念願の10位に入りました。問い合わせは激増し、物件紹介の対応に追われる日々に。
ところが、2ケ月たつと順位が急落。SEO会社が提携していた会社が軒並み順位を下げていました。そこで、2010年4年に@dreamを導入することに決めました。
試行錯誤の中で見えた課題とはなんでしょうか?
奥様
SEOで失敗して学んだことがあります。たとえ検索で上位に上がっても、お客様への対応がスピーディーにできない、たくさんの物件をメールで紹介するには労力がかかりすぎる、ということです。また、お客様を継続して管理していくことも難しい。これらを少人数の会社で解決するには…と考えて辿り着いたのが@dreamでした。
SEO会社を探している時にリングアンドリンクの@dreamを知りました。当時はコスト面で無理だと判断したのですが、再度調べてその機能を知れば知るほど、これまで苦労していた課題が解決できると確信したのです。そして、それは間違いではありませんでした。
リングアンドリンクにはSEOもお願いし、結果繁忙期に「八王子 賃貸」ではWeb上1.2.3ページをキープし、成約も増えました。今では、困った時には、相談にも乗っていただいています。担当サポーターが心強い方なので、のびのびやらせていただいたおります(笑)。
繁忙期には「学生のお母さん世代」、
それ以外の時期には「ファミリー層」に
向けた内容に。厳選した良い物件を、
常にトップ画面に掲載している
ホームページの作り方にもはっきりした方向性がありますね。
奥様
八王子は学生の街であり、地方からこちらに引っ越してくる学生さんを対象としたホームページを作りたい。それも見てもらうターゲットは、「大学生のお部屋探しに影響力の強いお母さん!」と思い至り、ホームページの方向性は決まりました。私たちにも同じ年頃の子どもがおり、親御様の気持ちにそって作りやすかったこともあります。もちろん、お母さん以外の人にも見てもらえるように、可愛くなりすぎないよう気を付けています。
ホームページのTOP画面や文章、背景画面もお勧め物件と同じように月ごとに変えています。ファミリー層の時期になれば、そこに向けた内容にします。ホームページの情報更新や管理は、スタッフの小嶋が丁寧にしっかりと行ってくれています。
@dreamの勉強会で学んだことも、すぐに実践されるそうですね
奥様
まず、SNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)を取り入れること、そして、その目的を明確にすることでした。社長のブログやスタッフブログは以前からもやっていましたが、ブログではお客様に社員の人柄を見てもらい、安心感を持ってもらうことを意識しました。
Twitterでは、内見に行った様子や、申し込みが入った時などの社内の様子を見せて、会社に対する安心感を伝えるようにしています。Facebookでは社員の人柄や会社の両面が分かればと。ちなみにFacebookでは、他社が頑張っている様子も分かりますので、同業者としてとても励まされます。
SNSは、目的を意識してさえいれば、自分のこと会社のことを自由に書けるので、張りつめた仕事の息抜きになれば良いし、楽しんでやっていければと考えています。さらに社内でのコミュニケーションの元になるなど、一石二鳥だと感じています。
社長の八王子ラーメンブログは、つい読んでしまいます。
小川社長
私が実際に食べた店で、時には辛口の批評もするので、お客様もよく読んでいただいているようです。実は学生の頃から「八王子ラーメン」のファンで、もう40年も食べ続けています。さっぱりした醤油味で、薬味がタマネギであることが特徴です。九州でとんこつしか知らない学生さんに美味い店を案内して、はまってしまったなんてこともありました。
また、八王子のことをもっと知ってほしいので、八王子祭や、登山で人気のある高尾山のページも作りました。
小川社長の「八王子ラーメンブログ」。
ラーメンの味、店の雰囲気、食べ方
まで、「八王子ラーメン」を
深く知れる名物ブログ
今後の目標を教えてください。
小川社長
2013年度から取り組んでいることがあります。一つは、ポータルサイトから来るお問い合わせの成約率が低く、そこを改善すること。もう一つは、繁忙期外にはファミリー物件のお客様の集客をすること。この2点の数字を上げることを引き続き目標とします。
最近のスマートフォンの普及で、ポータルサイトからアクセスするお客様が急増しました。しかし、そのお客様は、物件の空き確認だけか、また内見までいっても「物件が希望に合わない」ということで終わってしまうことが多いです。そこをなんとかつなげていくよう、さまざまに努力しています。
具体的には、どのようなことを試みられていますか?
奥様
ちなみに2013年度には、ポータルサイトからのお客様へ積極的に類似物件を送り、追客メールにはホームページを見ていただけるように、会社アドレスのところにホームページやブログなどのURLを付けました。
一番大切にしていることは、メール文に配慮することです。また、返信がなくとも追客をしていくようにします。問い合わせの返信を早急に行い、何通も物件情報を送っていても返信が来ない場合が多いのが現状です。そこでお客様が返事をしたくなるような文章を送るために、お客様の状況をイメージして文章を作成したり、季語をつけるなどして変化をつけたりしています。物件情報のメールだけでなく、ひな型のメール文章も全体的な見直しを行いました。普段はスタッフの小嶋が全部対応してくれますが、時に私も目を通して、気持ちを入れた文に書き直しています。
今年度は、物件の写真を充実させ、物件情報を増やすなど、一つひとつを丁寧にやっていきたいと思っています。まだまだ模索ではありますが、@dreamを最大限に利用して、チームワークでコツコツと頑張っていきたいと思います。
整理整頓された事務所の風景。
お客様がふいに訪れても、
にこやかに対応
心に残るお客様のエピソードはありますか?
小川社長
たくさんありますね。やはり学生さんには想い入れがあります。
今、家賃振込がほとんどですが、ある学生さんは、毎月こちらに家賃を持ってくるのが楽しみと言われます。そんな若い人の姿を見ると私たちもほっとしますね。
またある学生さんは、どこかへ行く度にお土産を買ってきてくれまして。お金もないだろうに「気を使わなくてもいいよ」って言うのですが…。
私どもがお世話した住まいで、八王子で学生時代を送り、卒業して東京で転勤になり、その後また八王子に住まうということになった場合など、大抵私どもの店に来てもらえます。その時はお子さんを連れられていたり。
奥様
時折、お客様からお手紙をいただきます。無事に学生生活を終え卒業された大学生のお母さんから「2年間、息子が安心・快適に過ごせました」との文面をいただいた時はつくづく嬉しかったですね。
一件一件、心を込めてお部屋選びをさせていただいています。たくさんある不動産屋の中をわざわざ選んで、せっかく来ていただいたお客様ですもの。
小川社長
ネットの普及でお部屋探しが一人でできる時代になっています。しかし、不動産の情報が多すぎて、一人で処理できなくなっている気がしています。そんな時に一緒に情報を管理し、的確なアドバイスができるような不動産屋になることが理想です。
愛する家族のためなら親身になりますね。お客様にもそんなふうに接していきたいと思っています。
ホームページのお客様の声より。
ご子息が退去時に、そのお母様から
届いた、心のこもったお礼の手紙
会社名 | 株式会社八昇プランニング |
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住所 | 〒192‐0073 東京都八王子市寺町7番15 |
TEL | 042-625-1310 |
FAX | 042-627-6578 |
お問合せ先 | info@hachishou.com |
公式サイト | http://www.hachishou.com/ |
インタビューを終えて
「八王子のお父さんとお母さん」。小川社長ご夫婦を、そう想い、慕うお客様が、きっと大勢おられることでしょう。生まれて初めて親許を離れ、見知らぬ街を訪れた若者が、この八昇プランニング様のご夫婦、スタッフに出会うことは、とても幸運なことであるはず。
同社では、@dreamを導入し、魅力あるホームページを工夫しつつ、成約件数を伸ばす努力をひたむきに積み重ねられています。店舗事業である限り、売り上げは伸ばさなくてはなりません。しかし、同社の不動産業には、ビジネスを越えた、何か血の通ったものを感じました。
お客様には「家族」のように接し、その立場でお部屋選びをされています。八王子に良き住まいを得た人は、信頼できる小川社長ご夫婦やスタッフがこの街にいる、という大きな安らぎも得ることになるはずです。
ところで取材後、一番うまいとされる八王子ラーメン店を小川社長にご案内いだきました。
その車中でも、社長は、1年前から若き料理人より依頼されている店舗の敷地探しに心悩ませておられました。これからも、今のスタイルで、街に人に深く愛される不動産店でい続けてほしいと、車の助手席で思いました。
(取材、撮影、編集、文章 : 物語ライティング )